タグ別アーカイブ: Eddie Safranski

大阪ジャズ同好会第39回(2019年10月13日)「日本盤ヴィンテージ・シリーズの魅力」②

October18,2019

特集「日本盤ヴィンテージ・シリーズ」の2回目です。今回も油井正一氏による解説文(一部抜粋)を添付します。(当日補足資料として配付しました)

1.「グランド・テラス・バンド/アール・ハインズ」
Here is Earl Hines And His Orchestra play ”G. T. Stomp”.
Earl Hines And His Orchestra:Walter Fuller (tp,vcl) Milton Fletcher, Ed Sims (tp) George Dixon (tp,as,bar) Ed Burke, John Ewing, Joe McLewis (tb) Omer Simeon (cl,as) Leroy Harris (as) Budd Johnson (as,ts,arr) Robert Crowder (ts) Earl Hines (p) Claude Roberts (g) Quinn Wilson (b,arr) Alvin Burroughs (ds) Horace Henderson, Jimmy Mundy, Skippy Williams (arr) NYC, July 12, 1939

1928年シカゴのクラブ「グランド・テラス」で旗挙げされ、以後19年にわたって彼がひきいていたすばらしいビッグ・バンドの演奏だ。
1928年末―正確にはハインズの誕生日にあたる12月28日 に、シカゴのサウス・サイドに開店した「グランド・テラス」 は中央にダンス・フロアー、周囲にテーブル、入口の反対側にはるかはなれてバンド・スタンドが配置され、フロアー・ショウもよび物のひとつになっていた。このクラブの主たる株主は、夜の大統領アル・カポネが所有していたといわれる。1929年はシカゴ・ギャングの跳梁が絶頂に達した年で、「聖ヴ アレンタイン・デイの虐殺」が行われた年でもあった。ハインズのバンドはこのクラブを牙城とし、幾多の俊英を世に送りだしたが、このアルバムに収録されているのは、ス イング時代の絶頂期、1939年7月から40年6月にかけての一 年間に吹きこまれた名演16曲である。

2.「ボディ・アンド・ソウル/コールマン・ホーキンス」
Here is is Coleman Hawkins plays ”Body and Soul”.
Tommy Lindsay, Joe Guy (tp) Earl Hardy (tb) Jackie Fields, Eustis Moore (as) Coleman Hawkins (ts,arr) Gene Rodgers (p,arr) Oscar Smith (b) Arthur Herbert (ds) Thelma Carpenter (vcl) Hazel Scott (arr) NYC, October 11, 1939

ジャズの歴史上最も有名なレコーディングのひとつである。しかしホーキンス自身はこのレコードの伝説的なヒットに首をかしげ、「私はいつもこのように吹いていた。どうしてこのレコードだけが圧倒的にうけたのかがわからない」といっている。ヨーロッパに渡って5年間をすごしたホーキンスの帰国第一作であり、ヨーロッパでのレコーディングはアメリカでも発売されていたというが、つねに「オーバーなほどセンチでテクニック過剰だ」としてミュージシャンと批評家から過少評価をうけていたーときくと、このレコードがうけた原因も解明できそうだ。しかし立派な作品であることにはかわりない。

3.「ジャズの巨人/シドニー・べシェ」
Here is Sidney Bechet and his New Orleans Feetwarmers play ”Egyptian Fantasy”.
Sidney Bechet and his New Orleans Feetwarmers:Henry Allen(tp) J.C. Higginbotham(tb) Sidney Bechet(cl) James Tolliver(p) Wellman Braud(b) J.C. Heard(ds) New York, January 8, 1941

シド ニー・ベシェは、ジャズ・クラリネットおよびソプラノサックスの大巨星であった。彼の全盛期のレコードは、比較的知られていない。(中略)… ここにはじめてビクターに残された、彼の中期の傑作16曲が公開された。これらを聴いて、シドニー・べシェがジャズ界に残した偉大な功績を再認識されるファンも多いだろうし、またそうあってほしいものである。その力強さ、その創造力、そして絢爛たる表現力は、彼の偉大さを証明するものでなくして、何であろうか?

番組のバージョンとは異なります。

4.「エスクァイアー・オール・アメリカン・ホット・ジャズ」
Here is Leonard Feather’s Esquire All Americans play ”Long, Long Journey”.
Leonard Feather’s Esquire All Americans:(by the 1946 Esquire Hot Jazz Award Winners)
Louis Armstrong (tp,vcl) Charlie Shavers (tp) Jimmy Hamilton (cl) Johnny Hodges (as) Don Byas (ts) Duke Ellington, Billy Strayhorn (p) Remo Palmieri (g) Chubby Jackson (b) Sonny Greer (ds) New York, January 10, 1946

「プレイボーイ」誌に圧倒された観があるが、「エス クァイアー」は1930年代以降最もよく読まれた男性向き月刊 誌であった。 当時の編集長(現在は発行人)アーノルド・キングリッチは陽のあたらぬ芸術だったジャズをこの雑誌にとりあげた先覚者で、1944年に評論家レナード・フェザーをジャズ部門の専任記者に委嘱すると共に、人気投票をやるための専問委員会を設けた。(読者投票ではなかった) 年鑑を出すとともに、人気投票の首位を集めて毎年1月にニューヨークのメトロポリタン・オペラハウスやロスアンジェルス、さらにはニ ューオリンズで、「オールスター・コンサート」を開催した。各楽器の首位が「金賞」、第二位が「銀賞」を与えられ、 45年からは「新人賞」(銅賞)も設けられ、1947年末で終ったが一流雑誌がこのように力を入れたことが、ジャズの発展に与えた影響は実に大きかった。

30センチのSP盤ですが、転勤時の引っ越しで割れてしまいました。

(デューク・エリントンのアナウンスが翻訳されています)
「皆さん、デューク・エリントンです。 レナード・フェザーやすばらしいオール・スター・オーケストラとご一緒できて嬉しく思います。この1曲には私も加わって、ルイ・アーム ストロングが歌います。さあはじめよう。レナード。」 レナード・フェザー作のブルース。 ソロイストは、アームストロング(トランペット) → ホッ ジス→アームストロング(ヴォーカル)→エリントン (ピア ノ) →アームストロング(ヴォーカル)。

5.「巨星(Dizzy Gillespie)」
Here is Dizzy Gillespie Band play ”52nd Street Theme”.
Dizzy Gillespie(tp) Don Byas(ts) Milt Jackson(vib) Al Haig(p) Bill DeArango(el-g) Ray Brown(b) J.C. Heard(ds) New York, February 22, 1946

LP 初期に「52番街のジャズ」として発売されたことがあるが、(中略)…レイ・ブラウンの弓弾き部分が面白い。ミルト・ジャクソンとしては最も初期の録音に属する。ヴァイブの音があまりよくないのは、当時ボロボロのヴァイブを引いていたからであろう。

Photo by britannica.com

6.「ビ・バップ・エラ/モダン・ジャズの夜明け」
Here is Kenny Clarke And His 52nd Street Boys play “Royal Roost”.
Kenny Clarke And His 52nd Street Boys: McKinlay Dorham (Kenny Dorham), Fats Navarro (tp), Sonny Stitt (as), Ray Abrams (ts), Eddie DeVerteuil (bs), Bud Powell (p), John Collins (g), Al Hall (b), Kenny Clarke (ds), Gil Fuller (arr) New York, September 5, 1946

(中略)編曲はガレスピー楽団の諸作で定評のあるギル・フラーが担当した。だから変則的な編成で、ビッグバンド的なサウンドをもつ部分もある。 バド・パウエル、ソニー・スティットの好プレイと共に、2人のトランぺ ット奏者が印象に残る。どのソロが誰かは皆さんの判断にまつしかないが、「ロイヤル・ルースト」はワン・コーラス毎にドーハム・ナヴァ 口がソロを交換してい るようにきこえる。それが二回づつあり、この個所の トランペットは四コーラス (1コーラス 12小節の ブルース)である。

Photo by Wikipedia

Here is is Metronome All-Star Bands play “Victory Ball”.
Metronome All-Star Bands:Miles Davis, Dizzy Gillespie, Fats Navarro(tp) J.J.Johnson, Kai Winding (tb) Buddy DeFranco(cl) Charlie Parker(as) Charlie Ventura(ts) Ernie Caceres(bs) Lennie Tristano(p) Billy Bauer(g) Eddie Safranski(b) Shelly Manne(ds) RCA Studios, NYC, January 3, 1949

「ヴィクトリー・ボール」はテーマのあとアルト(パーカー)。そのあとを16小節づつ、マイルス?→デフランコ→ウィンディング?→ ヴェンチュラ → J.J.→ナヴァロ?と続く。ピアノだけが一コーラスのソロをとり、以下キャセレス→ガレスピー? と続いて、ラストのアンサンブルに入リ、そのブリッジをデフランコがとる。この曲は「ス・ワンダフル」のコードにレニ ー・トリスターノが書いたもの。ビリー・バウァー(ギター) はソロこそとらないが、すばらしいアンサンプル、ワークをきかせている。

神戸ジャズ愛好会9月例会(2019年9月22日) 特集『Columbiaレーベルの名演』③

September 28,2019

『Columbiaレーベルの名演』3回目はN瀬氏と小生が持参した演奏をご紹介します。

・N瀬氏
コロンビアの代表的な歌手による珍盤をご紹介されました。

Photo by YouTube

Here is Darlene Edwards sings “Autumn In New York” with Jonathan Edwards(piano).

ジョナサンのピアノは超絶下手で、奥様ダーレンは酷い音痴です。2人の本当の名前は添付の曲でご確認下さい。

Here is Darlene Edwards sings “It’s Magic” with Jonathan Edwards(piano).

・平野

1.Fletcher Henderson「挫折の研究」

Here is Fletcher Henderson and His Orchestra play “Sugar Foot Stomp”.
Fletcher Henderson(p,dir) Elmer Chambers, Joe Smith, Louis Armstrong(tp) Charlie Green(tb) Buster Bailey(cl,as) Don Redman(cl,as,arr) Coleman Hawkins(cl,ts) Charlie Dixon(bj) Bob Escudero(tu) Kaiser Marshall(ds) New York, May 29, 1925

2. Charlie Christian(el-g)「Benny Goodman Sextet 1939」

Photo by YouTube

Here is Benny Goodman Sextet play ”Soft Winds”.
Benny Goodman(cl) Lionel Hampton(vib) Fletcher Henderson(p) Charlie Christian(el-g) Artie Bernstein(b) Nick Fatool(ds) New York, November 22, 1939

3.Bobby Hackett「Jazz Session」

Here is Bobby Hackett play “What A Difference A Day Made”.
Bobby Hackett(tp), Charlie Queener(p), Danny Perri(g), Bob Casey (b), Cliff Leeman(ds) September 13,1950

4.Joe Bushkin「Piano After Midnight」

Here is Joe Bushkin Quartet play “If I Had You”.
Joe Bushkin (p),Buck Clayton (tp),Eddie Safranski (b),Jo Jones (ds) July 31. 1951

日本盤解説も面白いので添付しました。

大阪ジャズ同好会(2015年6月14日) 特集『もう1人のバップトランペッター~ファッツ・ナヴァロ』

June 21,2019

Photo above of Fats Navarro by courtesy of Discogs

今回は4年前(2015年6月14日)の特集「もう1人のバップトランペッター~ファッツ・ナヴァロ」(解説 寺本 泰規氏)をブログとして作成しました。以下当日配付されたレジュメを編集せず記載いたします。

バップ時代のトランペッターといえばまずディジー・ガレスピーの名前が挙がりますが、彼の影響を受けたハワード・マギーを師匠としたファッツ・ナヴァロ(Sep,24, 1923~July 7, 1950)はその実力に伴った評価・人気を受けているとは思えません。同時代に同じ楽器のプレイヤーがいれば当然比較されるわけですが、メトロノーム・オールスターによる演奏ではナヴァロは共演したガレスピーやケニー・ドーハムらと間違えられるなどの扱いを受けていますが、いまでは故大和明氏によってその間遅いは正されています。(と私は考えています。)アメリカの有名なジャズ評論家でさえ間違えるほど似通っているところはありますが、聞き込めばその違いは割と見極められると思います。今回の例会ではそんなファッツ・ナヴァロの演奏を聴いていただくことにより、彼のファンになっていただければと考えています。まず最初に聴いていただくのは師匠格に当たるハワード・マギーのプレイです。当時ナヴァロはアン ディ・カーク楽団に在団していましたが、ソロパートは与えられておらず、ソロは全てハワード・マギ ーです。

1. 「McGhee Special」(broadcast, NYC, circa 1944)
Andy Kirk & His Orchestra
Art Capehart, Harry Lawson, Howard McGhee, Fats Navarro(tp) Taswell Baird, Bob Murray, Wayman Richardson(tb) Reuben Phillips, Ben Smith(as) Jimmy Forrest, Joe Harrington(ts) Ed Loving(bs) John Young(p) Booker Collins(b) Ben Thigpen(ds)

当日ご紹介された1944年の音源(上記「Big bands of the “Savoy”」)は手元にございませんので、1942年の録音を代替として添付しました。
Here is Andy Kirk And His Twelve Clouds Of Joy play “McGhee Special”.
Johnny Burris, Harry Lawson (tp) Howard McGhee (tp,arr) Ted Donnelly, Milton Robinson (tb) John Harrington (cl,as) Ben Smith (as) Edward Inge (cl,ts) Al Sears (ts) Kenny Kersey (p,arr) Floyd Smith (g,el-g,vcl) Booker Collins (b) Ben Thigpen (d) June Richmond (vcl) Andy Kirk (dir)
New York, July 14, 1942

この演奏を良く頭に入れて次の演奏を聴いてみてください。彼のソロが最初に録音された演奏です。当時のビリー・エクスタイン楽団はバッパーを多く抱えており、ガレスピー楽団を凌駕するくらいモダンな演奏に終始していました。ここではジーン・アモンズのソロを始め、ナヴァロのメロディアスで歌心あふれるソロに注目です。

2. 「Love Me Or Leave Me」(AFRS Jubilee broadcast, LA, CA, Feb & Mar,1945)
Billy Eckstine & His Orchestra
Gail Brockman, Boonie Hazel,Shorty McConnell,Fats Navarro(tp) Joe Taswell Baird, Chippy Outcalt, Howard Scott, Gerald Valentine(tb) Bill Frazier, John Jackson(as) Gene Ammons(ts) Budd Johnson(ts, arr) Leo Parker (bs) Connie Wainwright(g) John Malachi(p) Tommy Potter(b) Art Blakey(ds) Billy Eckstine, Lena Horne, Sarah Vaughan (vo) Tadd Dameron, John Malachi, Jerry Valentine(arr)

いかがでしたか。彼自身はビッグバンドでの演奏は自由が無いということで嫌いだったようで、エクスタイン以後短期間のバンド在団を除くと、コンボにおける吹き込みが多くなっていきます。次は一時期モダンジャズメンとの共演を行ったホーキンスのコンボにおけるソロです。

3. 「Bean And The Boys」(SR1858-1)(NYC, Dec,1946)
Coleman Hawkins & His Orchestra
Fats Navarro(tp) J.J.Johnson(tb) Porter Kilbert(as) Coleman Hawkins(ts) Hank Jones(p) Curly Russell(b) Max Roach(ds)

ビッグバンドにおけるソロをもう一曲聴いていただきましょう。スイング~モダンジャズ時代に活躍 したイリノイ・ジャケー楽団での演奏です。

4.「Jivin’ With Jack The Bellboy」 (NR97-2)(NYC, January 7, 1947)
llinois Jacquet And His Orchestra
Miles Davis, Marion Hazel or Russell Jacquet, Fats Navarro, Joe Newman(tp) Gus Chapell, Ted Kelly, Fred Robinson, Dicky Wells(tb) Ray Perry, Jimmy Powell(as) Illinois Jacquet, Clay Nicholas or Budd Johnson(ts) Leo Parker(bs) Bull Doggett(p) Al Lucas(b) Shadow Wilson(ds)

これより以後は全てコンボスタイルによる演奏です。次は「他の男のところでは働きたくないんだ」 と言わしめたタッド・ダメロンとの共演です。彼の真価を遺憾なく発揮した最初のグループと言えるでしょう。

Photo above of Tadd Dameron and Fats Navarro by courtesy of Wikipedia

5.「The Squirrel」 (BN305-1) (WOR Studios, NYC, Sept 26, 1947)
Tadd Dameron Sextet
Fats Navarro(tp) Ernie Henry(as) Charlie Rouse(ts) Tadd Dameron(p) Nelson Boyd(b) Shadow Wilson(ds)

ナヴァロはパーカーとも何度か共演し録音を残していますが、その最初の記録がこの時の演奏です。 ただしこの曲に関しては終始ソロを取っており、彼の素晴らしいメロディックセンスを味わうことができます。

6. 「Fats Flats 」(broadcast. “Bands For Bonds* WOR Studios, NYC, Nov.8,1947)
Barry Ulanov And His All Star Metronome Jazzmen
Fats Navarro(tp) Charlie Parker(as) Lennie Tristano(p) Billy Bauer(g) Tommy Potter(b) Buddy Rich(ds) Bruce Elliott, Barry Ulanov(announcer)

珍しい演奏をご紹介したいと思います。後年クリフォード・ブラウンも参加していたハンプトン におけるものです。曲の途中から始まっていますが、劈頭のソロは紛れもなくナヴァロです。(当日ご紹介された録音は添付出来ないことを了解願います。)

7. 「Hot House」(broadcast,”Howard Theatre”, Washington, May 1,1948)
Lionel Hampton & His Orchestra
Teddy Buckner, Wendell Culley, Duke Garrette, Fats Navarro, Leo Shepherd (tp) Sonny Craven, Andrew Penn, Britt Woodman, Jimmy Wormick(tb) Ben Kynard, Bobby Plater(as) John Sparrow. Billy Williams(ts) Charlie Fowlkes (bs) Lionel Hampton(vi,p, ds, vo) Milt Buckner(p) Charlie Harris, Charles Mingus(b) Earl Waiker(ds)

再びダメロンとの演奏です。ミディアムテンポで軽快にソロを展開する彼の演奏は、ガレスピーに代 表されるようにハイノートに偏ること無く、暖かみにあふれたプレイとなっています。

8. 「Good Bait」 (broadcast, “Royal Roost”, NYC, August 29, 1948)
Tadd Dameron Sextet
Fats Navarro(tp) Rudy Williams(as) Allen Eager(ts) Tadd Dameron(p) Curly Russell(b) Kenny Clarke(ds)

べニー・グッドマンも1948年から49年にかけて、なぜかモダンジャズメンをバンドに入れてモダンスタイルに変身したことがありました。残念ながらビッグバンドでのソロ演奏は残っていませんが、唯一コンボにおける演奏が1曲だけ残されています。ワーデル・グレイと共に彼のモダンなセンスが聴 かれる演奏となっています。(グッドマンだけがスイングスタイルの演奏を繰り広げており違和感はぬぐえません。)

9.「Stealin’ Apples」(2974-3)(NYC, September 9,1948)
Benny Goodman Septet
Fats Navarro(to) Benny Goodman(cl) Wardell Gray(ts) Gene Di Novi (p) Mundell Lowe(g) Clyde Lombardi (b) Mel Zelnick(ds)

さてナヴァロはわずかですが歌手の伴奏も録音しています。ここではダイアル盤に残された演奏から、パーカーの演奏で有名な「ヤードバード組曲」を聴いてください。オリジナルの演奏よりテンポを落としていますが、彼の趣味の良いフレーズが光ります。

10.「Yardbird Suite」(D1163-C)(NYC, November 29,1948)
Earl Coleman & His All Stars
Fats Navarro(tp) Don Lanphere(ts) Linton Garner(p) Al Casey(g) Jim Johnson(b) Max Roach(ds) Earl Coleman(vo)

昔、アメリカの雑誌メトロノームの主催によるジャズメンの人気投票があり、上位者によるオールス ターが編成され録音を行いました。次の演奏はビクターに吹き込まれたオールスターによるもので、当時の人気がうかがえる結果となっています。特に演奏の後半に繰り広げられる3人のトランペットの4小筋交換はデヴィス、ナヴァロ、ガレスピーと思われます。(故大和明氏の見解。一部デヴィスとガレ スピーが入れ替わっている。)

Photo by Metronome

11. 「Overtime(long version) (DOVC0021-2) (RCA Studios, NYC, January 3, 1949)
Metronome All-Star Bands
Miles Davis, Dizzy Gillespie, Fats Navarro(tp) J.J.Johnson, Kai Winding (tb) Buddy DeFranco(cl) Charlie Parker(as) Charlie Ventura(ts) Ernie Caceres(bs) Lennie Tristano(p) Billy Bauer(g) Eddie Safranski(b) Shelly Manne(ds)

再びダメロンとの共演です。この共演以後ダメロンとの演奏は残されていません。

12. 「Sid’s Delight」(3391-3E)(NYC, January 18,1949)
Tadd Dameron & His Orchestra
Fats Navarro(tp) Kai Winding(tb) Sahib Shihab(as) Dexter Gordon(ts) Cecil Payne(bs) Tadd Dameron (p) Curly Russell(b) Kenny Clarke(as) Vidal Balado(congas) Diego Ibarra(bongos)

今度の演奏はその存在は知られていたものの、2002年まで正式にリリースされなかったものと、今更ながらこんな素晴らしい演奏がなぜ公開されなかったのか不思議でなりません。彼の素晴らしいバラード演奏が聴かれます。

13. 「The Things We Did Last Summer」(“Carnegie Hall”,NYC, Nov 2,1949)
Jazz At The Philharmonic
Fats Navarro(tp) Hank Jones(p) Ray Brown(b) Shelly Manne(ds)

ブルーノートに彼はバド・パウェルと共に多くのテイクを吹き込んでいますが、ロリンズの初期の演奏が聴かれる「異教徒のダンス」を聴いてください。

14. 「Dance Of The Infidels」(BN362-1)(WOR Studios,NYC, August 9,1949)
Bud Powell’s Modernists
Fats Navarro(tp) Sonny Rollins(ts) Bud Powell(p) Tommy Potter(b) Roy Haynes(ds)

次の演奏は彼のレコーディング歴の中であまり注目を受けていませんが、4曲19テイクにわたって バップ・プレイヤーとは思えぬサトルなプレイに終始しており、早死にしなければ一流のモダンジャズ プレイヤーとしてもっと知られる存在になっていただろうと想像するにふさわしいものです。

15. 「Infatuation」(JRC37D)(NYC, September 20,1949)
Don Lanphere Quintet
Fats Navarro(tp) Don Lanphere(ts) Al Haig(p) Tommy Potter(b) Max Roach(ds)

最後はバードランドにおける3人のバップの巨人の共演です。ただしこの演奏ではパーカーのソロは ありません。

16. 「A Night In Tunisia」(broadcast,”Birdland”,NYC, May 15 & 16,1950)
Charlie Parker Quintet
Fats Navarro(tp) Chartie Parker(as) Bud Powell(p) Curly Russell(b) Art Blakey(ds)

本ブログでは「Ornithology」を添付しました。
Here is Chartie Parker Quintet play “Ornithology”.
Fats Navarro(tp) Chartie Parker(as) Bud Powell(p) Curly Russell(b) Art Blakey(ds)

彼の初期から最晩年の演奏までを聴いていただきましたが、その演奏から後年のクリフォード・ブラ ウンのプレイを感じるのは私だけではないと思います。これを機会に是非ナヴァロの演奏に親しみを持 っていただければと思います。

(使用音源)
1. 「Big bands of the “Savoy”」(Caracol CAR 424)(LP)
2.「Together / Billy Eckstine」(Spotlite 100)(LP)
3. 「Bean & The Boys / Coleman Hawkins」(Prestige PR 7824)(LP)
4.「The Complete Aladdin Sessions / Illinois Jacquet] (Aladdin 803) (LP)
5.「 The Fabulous Fats Navarro, Vol. 1」 (Blue Note BLP 1531) (LP)
6. 「Anthropology」 (Spotlite SPJ 108) (LP)
7. 「Lionel Hampton In Concert」 (Cicala Jazz Live (it) BLJ 8015) (LP)
8. 「Good Bait / Fats Navarro, Tadd Dameron」 (Riverside NW 2007)(LP)
9. 「Cool Clarinet 」(Capitol CR-8803) (LP)
10. 「Move! / Dexter Gordon」 (Spotlite SPJ 133) (LP)
11. 「From Swing To Be Bop」 (RCA RA-96-100) (LP)
12. 「Bebop Professors 」(Capitol CR-8812) (LP)
13. 「J.A.T.P. At Carnegie Halt 1949 / Jazz At The Philharmonic]」(Pablo PACD 5311-2)(CD)
14. 「The Amazing Bud Powell vol.1 / Bud Powell」 (Blue Note BLP 1503) (LP)
15. 「The Thin Man Meets Fat Boy vol.」 (Misterioso MLP 1982) (LP)
16. 「One Night In Birdland / Charlie Parker」 (Columbia JG 34808) (LP)

Vido Musso and Charlie Ventura on Savoy 622(SP)

January 25,2019

Photo by Courtesy of Pinterest(Herman Leonard) Billy Bauer, Eddie Safranski, Charlie Parker, Lennie Tristano, New York, 1949

今年最初のブログでEddie Safranski and The poll Catsをご紹介させて頂きました。

こちら ▶️

Eddie Safranskiは上記録音の1年前に最初のリーダー作をSavoy RecordsにEddie Safranski’s Quartet & All Starsの名義で4曲録音しています。(1946年2月26日)

ディスコグラフィーによると、1日前に面白いメンバーで録音を行なっています。

Vido Musso’s All Stars

Kai Winding (tb) Gene Roland (v-tb) Boots Mussulli (as) Vido Musso (ts) Marty Napoleon (p) Eddie Safranski (b) Denzil Best (d)
New York, February 25, 1946

「Vido In A Jam」「My Jo-Ann」含め4曲録音しました。

Ohoto by Discogs

上記2日間の録音「計8曲」はStan Getzが録音した4曲(1945年12月録音)と共に「Loaded( Savoy MG12074)」というタイトルで発売されました。

本アルバムはベテランのジャズファンにとって懐かしいジャケットであると推測します。

Vido Musso’s All StarsについてTom Lord Discographyの注釈から初めて知った事実があります。

Photo by Discogs

* Savoy 622 Charlie Ventura – Big Deal / Vido Musso – My Jo-Ann

SPレコードの表・裏が「Charlie Ventura と Vido Musso」という面白い編集で発売しています。

当時の製作者Teddy Reigのアイデアでしょうか?

それにしてもはSavoy Recordsは面白い録音が多いですね。

Photo of Teddy Reid

Here is Vido Musso Sextet play ”Vido in a jam”.
Kai Winding (tb) Gene Roland (v-tb) Boots Mussulli (as) Vido Musso (ts) Marty Napoleon (p) Eddie Safranski (b) Denzil Best (d)
New York, February 25, 1946

 

Here is Charlie Ventura Quartet play ”Big deal”.
Charlie Ventura (ts) Arnold Ross (p) John Levy (b) Specs Powell (d)
New York, August 24, 1945
Good deal

 

SPの話題になりましたので、瀬谷徹氏が最近アップされたVido Mussoの演奏もお楽しみ下さい。

Here is Vido Musso and his Orchestra play ”Vido’s Bop”.
Ray Wetzel(tp) Kai Winding(tb) Boots Mussulli(as) Vido Musso(ts) Pete Rugolo(p) Eddie Safranski(b) Shelly Manne(d)
Los Angeles, June 1947

Eddie Safranski And The Poll Cats

January 05,2019

本年も宜しくお願い申し上げます。

最近入手した下記レコードについての駄文にお付き合い下さい。

本レコードは最初に販売された時には「new orleans jazz」という不思議なタイトルが付けられていました。私が所有しているレコードでは「new orleans jazz」が印刷されていません。

写真はDiscogs(ネット)からお借りしました。

再発売時には「new orleans jazz」というタイトルが外されたと想像します。

何故「new orleans jazz」?

「印刷ミス」と思われますが、気になる所です。

レコード裏面

写真はDiscogs(ネット)からお借りしました。

因みに本レコード発売前の録音「Wilbur De Paris(EP511)」には演奏内容から当然「new orleans jazz」が印刷されています。

Nesuhi Ertegun(ネスヒ・アーティガン)が製作しています。

末尾に粋な写真を添付しました。(瀬谷徹氏に感謝)

以下、瀬谷徹氏提供のSP音源から全4曲をお楽しみ下さい。

Here is The Poll Cats play ”Sa-Frantic”.

Ray Wetzel(tp) Eddie Bert(tb) Art Pepper(as) Bob Cooper(ts) Pete Rugolo(p,arr) Eddie Safranski(b,dir) Shelly Manne(d)
New York, December 20, 1947

Here is The Poll Cats play ”Turmoil”.

Members of the recording are the same as above.

Here is The Poll Cats play ”Jumpin’ For Jane”.

Members of the recording are the same as above.

Here is The Poll Cats play ”Bass Mood”.

Members of the recording are the same as above.

尚、本4曲はArt pepper「Complete 1947 – 1951 Small Group Studio」に収録されています。

Photo above of Nesuhi Ertegun with Kid Ory & Marili Morden(Nesuhi ’s wife) by Seya’s Facebook

The early Kai Winding(4)

July 11.2017

Kai Winding participated in some early bebop sessions such as Tadd Dameron’s recordings,and also recorded his leader sessions.

Today I will introduce his leader’s recordings from in 1946 to in 1953.

images

In January 1946 Kai and Stan Getz had recordings on Savoy label as “Kai’s Krazy Kats”.

2200

Photo by The Guardian

Recently these recordings reissued by Mosaic label as “Classic Savoy Be-Bop Sessions 1945-49.”

In April 1949 Kai and Gerry Mulligan with George Wallington recorded  four tunes on Roost label.

They adopted “Wallington’s Godchild” by George Wallington.

miles-davis-nonet

Photo above of The Miles Davis nonet as ‘Birth of the Cool,’ from left, Bill Barber, Junior Collins, Kai Winding, Max Roach (obscured behid screen), Al Haig (at piano) by courtesy of All About Jazz

It was first performed by Miles Davis and His Orchestra in 1948 and was recorded “Birth of the Cool” by Miles Davis.

In May 1951 Kai and Brew Moore recorded again at Roost label.

77862430_o

We can hear these four tunes on Youtube,which are added previous Roost recordings(1949).

In March 1952 Kai recorded again four tunes at Savoy label.

Lou Stein(p), and (b), Tiny Kahn(ds), Al Young(bgs,timbales)

Unknown

As a matter of course these recordings are not included “Classic Savoy Be-Bop Sessions 1945-49”.

In June 1953 Kai and Howard McGhee “Kai Winding and his Birdlanders” cut four tunes  at MGM label.

 

Photo by courtesy of Jazzinphoto(WordPress)

1940年代の後半、Kai Windingは Tadd Dameronによる初期のバップセッションに参加すると共に、自分をリーダーとする録音を行なっていました。

今日は1946年から1953年までのリーダ作品を順番に紹介していきたいと思います。

1946年1月Kai WindingとStan Getz はSavoyレコードに「 Kai’s Krazy Kats」の名前でレコーディングを行いました。

最近、これらの録音は別テイクを含め「 Classic Savoy Be-Bop Sessions 1945-49」としてMosaicレーベルで発売されています。

1949年4月Kai WindingとGerry MulliganはGeorge Wallington と共にRoostレコードに4曲録音しました。
Gerry Mulliganの提案と推測しますがGeorge Wallingtonが作曲した「Wallington’s Godchild」を取り上げています。

この曲は1948年にMiles Davis and his Orchestraによって初めて演奏され「Birth of the Cool」の中で再演されています。

1951年5月Kai WindingはBrew Mooreと組み再びRoostに録音しました。
この時の4曲は1949年のRoost録音に追加される形で最近Youtubeにアップされました。正確な録音データを記載しておきます。(Youtubeの記載データには誤りがあります)

1952年3月Kai Windingは再びSavoyレコードに4曲録音しています。
音源を紹介できないですが参加メンバーを記載しておきます。
Lou Stein(p), and Eddie Safranski(b), Tiny Kahn(ds), Al Young(bgs,timbales)

当然ですがこれらは「Classic Savoy Be-Bop Sessions 1945-49」に収録されていません。

1953年6月Kai Windingは「Kai Winding and his Birdlanders」という名前で Howard McGheeと共演しています。リズム陣はMJQです。

Here is Kai Winding’s New Jazz Group play “Sweet Miss”.
Shorty Rogers(tp),  Kai Winding(tb), Stan Getz(ts),  Shorty Allen(p), Iggy Shevack(b), Shelly Manne(ds),  December 14, 1945

Here is Kai Winding Sextet plays “Wallington’s Godchild”.
Kai Winding (tb), Brew Moore (ts), Gerry Mulligan (bs), George Wallington (p), Curley Russell (b), Max Roach (d). NYC, April 1949.

Here is Kai Winding plays “Night On Bop Mountain”.
Jerry Lloyd(tp),Kai Winding(tb),Brew Moore(ts),Gerry Mulligan(bs), George Wallington(p), Curley Russell(b) Roy Haynes(ds),  August 23, 1949

Here is Kai Winding’s Band play “I’m Shooting High”.
Kai Winding(tb),Warne Marsh(ts),Billy Taylor(p),Jack Lesberg(b),Charlie Perry(ds),  April 27,1951

Here is Gerry Mulligan & Kai Winding All Stars ‎– Modern Jazz Spectacular
[SIDE ONE]“Wallington’s Godchild”“Bop City”“Sleepy Bop”“Crossing The Channel”.
Kai Winding (tb), Brew Moore (ts), Gerry Mulligan (bs), George Wallington (p), Curley Russell (b), Max Roach (d). NYC, April 1949.

[SIDE TWO]“Honey”“Someone To Watch Over Me”“Harem Buffet”“Cheek To Cheek”.
Kai Winding(tb), Brew Moore(ts),Lou Stein(p), Jack Lesberg(b), Don Lamond(ds) NYC, May 31,1951

Here is Kai Winding’s Birdlanders plays “That a Plenty”.
Kai Winding(tb), Howard McGhee(tp),Eddie Shu(ts),John Lewis (p),Percy Heath(b),Kenny Clarke(ds) NYC,June 1953,

Stan Getz and Allen Eager on Savoy(5)

January 06.2017

mi0000005350

Allen Eager remains one of the unheralded giants of the tenor sax in the 1940s.

He could swing in an eerily similar fashion to Lester Young

Also Wardell Gray was an equally early Lester Young exponent on the West Coast.

r-9075379-1474366768-3057-jpeg

Last Year I had read an interesting interview about “Teddy Reig’s All Stars(1947)”

Marty Napoleon who was known as the pianist in Louis Armstrong’s All Stars talks with JazzWax.

June 02, 2011
Interview: Marty Napoleon (Part 2)
I got a call from Teddy Reig , the producer at Savoy. He asked me to play the session with Shelly Manne, Kai Winding, Allen and Eddie Safranski. Allen could play beautifully but he was a strange guy.
In the studio, he refused to play anything everyone suggested. He kept saying the stuff was too square. So we recorded four tracks that were based on the chord changes to other things. Like O-go-Mo was based on Idaho.

 

2b187c7b

Kai Winding (tb) Allen Eager (ts) Marty Napoleon (p) Eddie Safranski (b) Shelly Manne (ds) Teddy Reig (director) NYC, January 22, 1947
“O-Go-Mo”, “Mr. Dues”,”Oh, Kai (as Kai’s Day)”,”Saxon”

Even Japan we can hear four recordings on Spotify.Go here and here, and here and here

日本でも無料のSpotifyで4曲を聞くことが可能になりました。

Please refer to “original-jazzville/jojo” about his all recordings.Go here

Allen Eagerについては大阪梅田の兎我野町にあったジャズ喫茶「JOJO」のマスターが連載されているブログが最も参考になります。こちらをクリック

 

fullsizeoutput_882

Here is Allen Eager Quartet play “Rampage”.(1946)

Here is Allen Eager plays “Jane’s Bounce”(1947)