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大阪ジャズ同好会特集『ボビー・ハケット大全集』

May 01.2018

Photo by courtesy of Swing DJ Resources

ボビー・ハケット大全集(2017年6月5日) 解説 寺本 泰規氏(同好会世話人)

ボビー・ハケットというミュージシャンをはたして何人の人がご存知でしょうか。リーダーアルバムもそれほど多いわけでもないのに、印象的なプレイを我々に残してくれました。

今日はボビー・ハケットの業績を残された数々の演奏からたどり、あらためて彼のプレイに注目してもらえれば幸いです。

さて彼のファーストレコーディングは何かということですが、それは1937年3月24日にDick Robert san & His Orchの一員として吹き込まれたものです。しかし彼が注目されるようになったのは、ベニー グッドマン・カーネギー・ホール・コンサートでジャズの歴史をたどるメドレーの中で、ビックス ・バイダーベックの名演を再現したときの演奏からだと思います。まず最初にその演奏を聴いていただきましょう。

1.「I’m Coming Virginia」(2:15)(Jan 16,1938)
Soloist Bobby Hackett(cor) Allan Reuss(g)

ハケットはビックスに似ていると言われることもありますが、ビックスのアタック鋭いサウンドは なく、中音域を主体とした柔らかい音が特徴です。また、後で紹介するヴォーカルのバックで吹くオブリガードのうまさは彼ならではのもので正に絶品と言えるでしょう。

次はユービー・ブレイクの名曲を聴いていただきましょう。ここでは彼の特徴である中音域を生か したソロが聴かれます。
2.「Memories Of You」(3:18)(July, 12,1938)
Bud Freeman & His Gang
Bobby Hackett(cor) Pee Wee Russell(cl) Dave Matthews(as) Bud Freeman(ts) Eddie Condon(g) Jess Stacy(p) Artie Shapiro(b) Dave Tough(ds)

Photo by Discogs

ハケットは1941年7月から1942年9月までグレン・ミラー楽団に在団しますが、元々は欠員となってい たギター奏者として雇われます。しかしコルネット奏者としても印象的なソロを残しています。ここではその代表的なソロを聴いていただきます。

3.「A Strings Of Pearls」(3:47)(Nov 8,1941)
Glenn Miller & His Orchestra Soloist Bobby Hackett(cor) Jerry Gray(arr)

1946年まではリーダーセッションはあったものの、リーダーアルバムはありませんでした。 SP時代に吹き込んだ曲をLP時代(10inchs)になりまとめたのが次のアルバムで、初めてのリーダーアルバム だと思います。

4.「With A Song In My Heart」(2:39) (Feb 5,1946)
Bobby Hackett(cor) Hank D’Amico(cl) Bil Stegmeyer, Johnny Pepper(as) Wolfe Tannenbaum, Hank Ross(ts) Johnny Guarnieri(p) Carl Kress(g) Bob Haggart(b)Cozy Cole(ds) Bill Challis(arr, cond)

さて、彼が本領を発揮するのはワンホーン・クインテットの時だと思いますが、下記の演奏は正に彼のソフトでメロウなトーンとエレガンスに満ちたフレイズが堪能できるものとなっています。

5.「What A Difference A Day Made」(3:08)(Sep 13,1950)
Bobby Hackett(tp) Charlie Queener(p) Danny Perri(g) Bob Casey (b) Cliff Leeman(ds)

同じクインテットでもストリングが入るとより彼のプレイが浮かび上がるのですが、次の曲ではミ ユートプレイが日本人好みのいわゆる「泣き」が入ったものとなっています。リズムセクションにモダン派も加えたこのレコードは、キャピトル最初のリーダーアルバムとなっ ています。

6.「You Turned The Tables on Me」(2:27) (lay 11,1953)
Bobby Hackett(tp) Lou Stein(p) Billy Bauer(g) Arnord Fishkind(b) Denzil Best(ds) with strings

キャピトルに移籍後、ムードミュージックで有名なジャッキー・グリースン楽団でソロイストとし てフューチャーされたアルバムを7枚ほど作りますが、それぞれ50万枚以上売り上げてゴールドディスクとなっています。その中から1曲お送ります。
7.「Yesterdays」(3:06)(1954)
Jackie Gleason & His Orchestra featuring Bobby Hackett(tp)

彼はキャピトルレーベルにおいてグリースン楽団だけではなく、自己のグループを率いてコンボで のレコーディングを残していますが、その中からジャケットのデザインが秀逸な「Rendezvous」から 一曲選んでみました。この曲はカーク・ダグラス主演の映画「Young man with a horn」(邦題「情熱 の狂想曲」)でドリス・ディが唄う場面が印象的でした。

8.「The Very Thought Of You」(2:35)(1956)
Bobby Hackett(tp) with Orchestra conducted by Glenn Osser

今度はライブ演奏を聴いていただきましょう。シャンソンの名曲でジャズでも取り上げられること の多い「枯葉」です。メンバーがモダンジャズメン3名、スイング時代からのベテラン2名の合わせて 5名が何の違和感もなく、一緒にプレイしているところがジャズのすごいところだと思います。
9.「Autumn Leaves」(6:34) Jan 31,191)
Dizzy Gillespie(tp) Bobby Hackett(tp) Mary Lou Williams(p) George Duvivier(b) Grady Tate(ds)

ハケットは唄伴でもその能力を最大限に発揮します。オブリガードのうまさは他のミュージシャン と比べても特筆すべきものがありますが、特にリー・ワイリーとは1950年12月に吹き込んだ名盤「Night In Manhattan」でも既に共演しており、実に22年ぶりの共演となりました。

10.「Moon River」(3:15) (June 5,1972)
Lee Wiley(vo) Bobby Hackett(cor) Teddy Wilson(p) Bucky Pizzarelli(g) George Duvivier (b) Don Lamond(ds)

続いてはテレサ・ブリュワーの唄に伴奏した時のものです。そのうち2曲目の「I’ve Got A Crush On You」は先ほどの「Night In Manhattan」でもワイリーと共演しており、興味のある人は比べてみるのも一興かと思います。
11.「If I Had To You~I’ve Got A Crush On You」(4:49)(1973)
Teresa Brewer(vo) Bobby Hackett(tp) Hank Jones(p) Art Ryerson(g) Richard Davis(b) Ted Sommer(ds) Johnny Mince, Hank Freeman, George Berg, Toots Mondello(sax) James Maxwell, Nax Kaminsky, Mel Davis(tp) Warren Covington, Vic Dickenson, Urbie Green(tb)

先ほどのガレスピーとの共演と同じように、今度はモダンジャズの巨人ズート・シムズとの共演で す。それ以外のメンバーもモダンジャズメンで固められており、彼が如何に柔軟性のとんだプレイヤ ーであるかということを如実に示しています。モダンジャズメンの中にあっても彼の個性は決して理没することなく、しっかりと自己主張しており、彼らと対等に渡り合っています。
12. 「These Foolish Things」(5:50)(Aug. 3,1974)
Bobby Hackett(tp) Zoot Sims(ss) Hank Jones(p) Bucky Pizzarelli(g) Richard Davis(b) Mel Lewis (ds) Glenn Osser(arr)

この特集の締めくくりとして、多分彼のラストレコーディングと思われるアルバムから1曲お送りします。このアルバムは映画、ジャズ・クラシックびスタンダードから選曲されたきわめて彼らしいアルバム作りとなっています。その中から彼の得意とするディキシースタイルで「Tin Roof Blues」 を聴いてください。
13. 「Tin Roof Blues」(3:46)(1976)
Bobby Hackett(tp) Dave McKenna(p) Bob Daugherty(b) Ron Lundberg(ds)

皆さんいかがだったでしょうか。彼が如何に融通性に富み、リーダーアルバムにおいても、他の楽 団のソロイストにおいても、唄伴においても一流の演奏者であることがおわかりになったと思います。 これを機会にもっとハケットの演奏に興味を持っていただけたら幸いです。

[補足]Bobby Hackettの公式ファンクラブがFacebookで公開されています。

こちらをクリックして下さい。⇨Fans of Bobby Hackett(NOT BUDDY)

The early Kai Winding(4)

July 11.2017

Kai Winding participated in some early bebop sessions such as Tadd Dameron’s recordings,and also recorded his leader sessions.

Today I will introduce his leader’s recordings from in 1946 to in 1953.

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In January 1946 Kai and Stan Getz had recordings on Savoy label as “Kai’s Krazy Kats”.

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Photo by The Guardian

Recently these recordings reissued by Mosaic label as “Classic Savoy Be-Bop Sessions 1945-49.”

In April 1949 Kai and Gerry Mulligan with George Wallington recorded  four tunes on Roost label.

They adopted “Wallington’s Godchild” by George Wallington.

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Photo above of The Miles Davis nonet as ‘Birth of the Cool,’ from left, Bill Barber, Junior Collins, Kai Winding, Max Roach (obscured behid screen), Al Haig (at piano) by courtesy of All About Jazz

It was first performed by Miles Davis and His Orchestra in 1948 and was recorded “Birth of the Cool” by Miles Davis.

In May 1951 Kai and Brew Moore recorded again at Roost label.

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We can hear these four tunes on Youtube,which are added previous Roost recordings(1949).

In March 1952 Kai recorded again four tunes at Savoy label.

Lou Stein(p), and (b), Tiny Kahn(ds), Al Young(bgs,timbales)

Unknown

As a matter of course these recordings are not included “Classic Savoy Be-Bop Sessions 1945-49”.

In June 1953 Kai and Howard McGhee “Kai Winding and his Birdlanders” cut four tunes  at MGM label.

 

Photo by courtesy of Jazzinphoto(WordPress)

1940年代の後半、Kai Windingは Tadd Dameronによる初期のバップセッションに参加すると共に、自分をリーダーとする録音を行なっていました。

今日は1946年から1953年までのリーダ作品を順番に紹介していきたいと思います。

1946年1月Kai WindingとStan Getz はSavoyレコードに「 Kai’s Krazy Kats」の名前でレコーディングを行いました。

最近、これらの録音は別テイクを含め「 Classic Savoy Be-Bop Sessions 1945-49」としてMosaicレーベルで発売されています。

1949年4月Kai WindingとGerry MulliganはGeorge Wallington と共にRoostレコードに4曲録音しました。
Gerry Mulliganの提案と推測しますがGeorge Wallingtonが作曲した「Wallington’s Godchild」を取り上げています。

この曲は1948年にMiles Davis and his Orchestraによって初めて演奏され「Birth of the Cool」の中で再演されています。

1951年5月Kai WindingはBrew Mooreと組み再びRoostに録音しました。
この時の4曲は1949年のRoost録音に追加される形で最近Youtubeにアップされました。正確な録音データを記載しておきます。(Youtubeの記載データには誤りがあります)

1952年3月Kai Windingは再びSavoyレコードに4曲録音しています。
音源を紹介できないですが参加メンバーを記載しておきます。
Lou Stein(p), and Eddie Safranski(b), Tiny Kahn(ds), Al Young(bgs,timbales)

当然ですがこれらは「Classic Savoy Be-Bop Sessions 1945-49」に収録されていません。

1953年6月Kai Windingは「Kai Winding and his Birdlanders」という名前で Howard McGheeと共演しています。リズム陣はMJQです。

Here is Kai Winding’s New Jazz Group play “Sweet Miss”.
Shorty Rogers(tp),  Kai Winding(tb), Stan Getz(ts),  Shorty Allen(p), Iggy Shevack(b), Shelly Manne(ds),  December 14, 1945

Here is Kai Winding Sextet plays “Wallington’s Godchild”.
Kai Winding (tb), Brew Moore (ts), Gerry Mulligan (bs), George Wallington (p), Curley Russell (b), Max Roach (d). NYC, April 1949.

Here is Kai Winding plays “Night On Bop Mountain”.
Jerry Lloyd(tp),Kai Winding(tb),Brew Moore(ts),Gerry Mulligan(bs), George Wallington(p), Curley Russell(b) Roy Haynes(ds),  August 23, 1949

Here is Kai Winding’s Band play “I’m Shooting High”.
Kai Winding(tb),Warne Marsh(ts),Billy Taylor(p),Jack Lesberg(b),Charlie Perry(ds),  April 27,1951

Here is Gerry Mulligan & Kai Winding All Stars ‎– Modern Jazz Spectacular
[SIDE ONE]“Wallington’s Godchild”“Bop City”“Sleepy Bop”“Crossing The Channel”.
Kai Winding (tb), Brew Moore (ts), Gerry Mulligan (bs), George Wallington (p), Curley Russell (b), Max Roach (d). NYC, April 1949.

[SIDE TWO]“Honey”“Someone To Watch Over Me”“Harem Buffet”“Cheek To Cheek”.
Kai Winding(tb), Brew Moore(ts),Lou Stein(p), Jack Lesberg(b), Don Lamond(ds) NYC, May 31,1951

Here is Kai Winding’s Birdlanders plays “That a Plenty”.
Kai Winding(tb), Howard McGhee(tp),Eddie Shu(ts),John Lewis (p),Percy Heath(b),Kenny Clarke(ds) NYC,June 1953,