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大阪ジャズ同好会特集『ボビー・ハケット大全集』

May 01.2018

Photo by courtesy of Swing DJ Resources

ボビー・ハケット大全集(2017年6月5日) 解説 寺本 泰規氏(同好会世話人)

ボビー・ハケットというミュージシャンをはたして何人の人がご存知でしょうか。リーダーアルバムもそれほど多いわけでもないのに、印象的なプレイを我々に残してくれました。

今日はボビー・ハケットの業績を残された数々の演奏からたどり、あらためて彼のプレイに注目してもらえれば幸いです。

さて彼のファーストレコーディングは何かということですが、それは1937年3月24日にDick Robert san & His Orchの一員として吹き込まれたものです。しかし彼が注目されるようになったのは、ベニー グッドマン・カーネギー・ホール・コンサートでジャズの歴史をたどるメドレーの中で、ビックス ・バイダーベックの名演を再現したときの演奏からだと思います。まず最初にその演奏を聴いていただきましょう。

1.「I’m Coming Virginia」(2:15)(Jan 16,1938)
Soloist Bobby Hackett(cor) Allan Reuss(g)

ハケットはビックスに似ていると言われることもありますが、ビックスのアタック鋭いサウンドは なく、中音域を主体とした柔らかい音が特徴です。また、後で紹介するヴォーカルのバックで吹くオブリガードのうまさは彼ならではのもので正に絶品と言えるでしょう。

次はユービー・ブレイクの名曲を聴いていただきましょう。ここでは彼の特徴である中音域を生か したソロが聴かれます。
2.「Memories Of You」(3:18)(July, 12,1938)
Bud Freeman & His Gang
Bobby Hackett(cor) Pee Wee Russell(cl) Dave Matthews(as) Bud Freeman(ts) Eddie Condon(g) Jess Stacy(p) Artie Shapiro(b) Dave Tough(ds)

Photo by Discogs

ハケットは1941年7月から1942年9月までグレン・ミラー楽団に在団しますが、元々は欠員となってい たギター奏者として雇われます。しかしコルネット奏者としても印象的なソロを残しています。ここではその代表的なソロを聴いていただきます。

3.「A Strings Of Pearls」(3:47)(Nov 8,1941)
Glenn Miller & His Orchestra Soloist Bobby Hackett(cor) Jerry Gray(arr)

1946年まではリーダーセッションはあったものの、リーダーアルバムはありませんでした。 SP時代に吹き込んだ曲をLP時代(10inchs)になりまとめたのが次のアルバムで、初めてのリーダーアルバム だと思います。

4.「With A Song In My Heart」(2:39) (Feb 5,1946)
Bobby Hackett(cor) Hank D’Amico(cl) Bil Stegmeyer, Johnny Pepper(as) Wolfe Tannenbaum, Hank Ross(ts) Johnny Guarnieri(p) Carl Kress(g) Bob Haggart(b)Cozy Cole(ds) Bill Challis(arr, cond)

さて、彼が本領を発揮するのはワンホーン・クインテットの時だと思いますが、下記の演奏は正に彼のソフトでメロウなトーンとエレガンスに満ちたフレイズが堪能できるものとなっています。

5.「What A Difference A Day Made」(3:08)(Sep 13,1950)
Bobby Hackett(tp) Charlie Queener(p) Danny Perri(g) Bob Casey (b) Cliff Leeman(ds)

同じクインテットでもストリングが入るとより彼のプレイが浮かび上がるのですが、次の曲ではミ ユートプレイが日本人好みのいわゆる「泣き」が入ったものとなっています。リズムセクションにモダン派も加えたこのレコードは、キャピトル最初のリーダーアルバムとなっ ています。

6.「You Turned The Tables on Me」(2:27) (lay 11,1953)
Bobby Hackett(tp) Lou Stein(p) Billy Bauer(g) Arnord Fishkind(b) Denzil Best(ds) with strings

キャピトルに移籍後、ムードミュージックで有名なジャッキー・グリースン楽団でソロイストとし てフューチャーされたアルバムを7枚ほど作りますが、それぞれ50万枚以上売り上げてゴールドディスクとなっています。その中から1曲お送ります。
7.「Yesterdays」(3:06)(1954)
Jackie Gleason & His Orchestra featuring Bobby Hackett(tp)

彼はキャピトルレーベルにおいてグリースン楽団だけではなく、自己のグループを率いてコンボで のレコーディングを残していますが、その中からジャケットのデザインが秀逸な「Rendezvous」から 一曲選んでみました。この曲はカーク・ダグラス主演の映画「Young man with a horn」(邦題「情熱 の狂想曲」)でドリス・ディが唄う場面が印象的でした。

8.「The Very Thought Of You」(2:35)(1956)
Bobby Hackett(tp) with Orchestra conducted by Glenn Osser

今度はライブ演奏を聴いていただきましょう。シャンソンの名曲でジャズでも取り上げられること の多い「枯葉」です。メンバーがモダンジャズメン3名、スイング時代からのベテラン2名の合わせて 5名が何の違和感もなく、一緒にプレイしているところがジャズのすごいところだと思います。
9.「Autumn Leaves」(6:34) Jan 31,191)
Dizzy Gillespie(tp) Bobby Hackett(tp) Mary Lou Williams(p) George Duvivier(b) Grady Tate(ds)

ハケットは唄伴でもその能力を最大限に発揮します。オブリガードのうまさは他のミュージシャン と比べても特筆すべきものがありますが、特にリー・ワイリーとは1950年12月に吹き込んだ名盤「Night In Manhattan」でも既に共演しており、実に22年ぶりの共演となりました。

10.「Moon River」(3:15) (June 5,1972)
Lee Wiley(vo) Bobby Hackett(cor) Teddy Wilson(p) Bucky Pizzarelli(g) George Duvivier (b) Don Lamond(ds)

続いてはテレサ・ブリュワーの唄に伴奏した時のものです。そのうち2曲目の「I’ve Got A Crush On You」は先ほどの「Night In Manhattan」でもワイリーと共演しており、興味のある人は比べてみるのも一興かと思います。
11.「If I Had To You~I’ve Got A Crush On You」(4:49)(1973)
Teresa Brewer(vo) Bobby Hackett(tp) Hank Jones(p) Art Ryerson(g) Richard Davis(b) Ted Sommer(ds) Johnny Mince, Hank Freeman, George Berg, Toots Mondello(sax) James Maxwell, Nax Kaminsky, Mel Davis(tp) Warren Covington, Vic Dickenson, Urbie Green(tb)

先ほどのガレスピーとの共演と同じように、今度はモダンジャズの巨人ズート・シムズとの共演で す。それ以外のメンバーもモダンジャズメンで固められており、彼が如何に柔軟性のとんだプレイヤ ーであるかということを如実に示しています。モダンジャズメンの中にあっても彼の個性は決して理没することなく、しっかりと自己主張しており、彼らと対等に渡り合っています。
12. 「These Foolish Things」(5:50)(Aug. 3,1974)
Bobby Hackett(tp) Zoot Sims(ss) Hank Jones(p) Bucky Pizzarelli(g) Richard Davis(b) Mel Lewis (ds) Glenn Osser(arr)

この特集の締めくくりとして、多分彼のラストレコーディングと思われるアルバムから1曲お送りします。このアルバムは映画、ジャズ・クラシックびスタンダードから選曲されたきわめて彼らしいアルバム作りとなっています。その中から彼の得意とするディキシースタイルで「Tin Roof Blues」 を聴いてください。
13. 「Tin Roof Blues」(3:46)(1976)
Bobby Hackett(tp) Dave McKenna(p) Bob Daugherty(b) Ron Lundberg(ds)

皆さんいかがだったでしょうか。彼が如何に融通性に富み、リーダーアルバムにおいても、他の楽 団のソロイストにおいても、唄伴においても一流の演奏者であることがおわかりになったと思います。 これを機会にもっとハケットの演奏に興味を持っていただけたら幸いです。

[補足]Bobby Hackettの公式ファンクラブがFacebookで公開されています。

こちらをクリックして下さい。⇨Fans of Bobby Hackett(NOT BUDDY)

『ホーキンス派の巨人~レオン・チュー・ベリー』

April 30.2018

Photo by Pinterst

大阪ジャズ同好会例会2016年10月例会
特集「『ホーキンス派の巨人~レオン・チュー・ベリー』解説  寺本泰規氏(同好会世話人)

はじめに 今月の特集は皆さんにとってあまりなじみがないと思われる人を取り上げました。テナーサックスの父と呼ば るコールマン・ホーキンスに比べて1941年に31才で事故死したためレコーディングもそれほど多くはなく、リ ーダー録音は2つしかありません。録音の多くはビッグバンドやコンボのサイドメンとしてのものでしたが、数々の印象的なソロを演奏して当時のジャズファンをうならせただけではなく、現在においても熱心なファンの間 で語り継がれています。
さて彼の生涯については資料としてプリントしてありますのでそちらを見ていただくことにして、早速その演 奏を聴いていただくことにしましょう。彼の演奏の特徴はホーキンスやべンのようにヴィブラートやアクセント をあまり効かせず、スムーズなフレーズを止めどなく聴かせることにあります。

それではまず最初に最も初期の演奏としてスパイク・ヒューズ楽団での演奏を聴いてみましょう。ソロはディ ッキー・ウェルズ、ベニー・カーター、チュー・ベリー、ホーキンス、ベニー・カーター、ヘンリー・レッド・ アレンです。
1.「Music at Midnight」(May 18,1933)(2:43)
SPIKE HUGHES AND HIS ALL AMERICAN ORCHESTRA
Henry Red Allen, Leonard Davis, Bill Dillard(tp) Dicky Well, Wilbur De Paris, George Washington(tb) Benny Carter(as, cl) Wayman Carver(as,fl) Howard Johnson(as) Coleman Hawkins, Chu Berry(ts) Luis Russell(p) Lawrence Lucie(g) Ernest Hill(b) Sidney Catlett(ds) Spike Hughes(dir,arr)

 

ホーキンスとの違いがおわかりになったでしょうか?よく似てはいますが、彼の独自性が感じられる演奏だと思 います。次にブルースの女王ベッシー・スミスの伴奏者としてのソロを聴いていただきましょう。彼は結構ヴォ ーカルの伴奏者としてレコーディングがあり、このセッションはその最も初期のものです。
2.「Do Your Duty」(NYC, Nov 24,1933)(3:31)
BESSIE SMITH – ORCHESTRA ACC. BY BUCK AND HIS BAND
Frankie Newton(tp) Jack Teagarden(tb) poss.Benny Goodman(cl) Chu Berry(ts) Buck Washington(p) Bobby Johnson(g) Billy Taylor(b) Bessie Smith(vcl)

 

次の演奏は臨時編成された白黒混合バンドで、スイング時代の名手達が顔をそろえた演奏としても有名です。 特にベリガンの参加は貴重です。
3.「Blues In E Flat」(Jan 25,1935)(3:03)
RED NORVO AND HIS SWING OCTET
Bunny Berigan(tp) Jack Jenny(tb) Jphnny lince(cl) Chu Berry(ts) Teddy Wilson(p) George Van Eps(g) Artie Bernstein(b) Gene Krupa(ds) Red Norvo(xyl)

 

次はピアニストでもあり歌手でもあるPUTNEY DANDRIDGEとの共演です。ここでのソロはくつろぎに満ちたもの となっています。
4.「Chasing Shadows」(NYC, June 25,1935)(2:40)
PUTNEY DANDRIDGE AND HIS ORCHESTRA
Roy Eldridge(tp) Chu Berry(ts) Putney Dandridge(p-2, vcl) Harry Grey(p-1) Nappy Lamare(a) Artie Bernstein(b) Bill Beason(ds)

 

1935年暮れにフレッチャー・ヘンダーソン楽団に入団した彼は30曲あまり吹き込みますが、その中からべニー ・グッドマンの演奏でも有名な「Stealin’ Apples」です。
5.「Stealin’ Apples」(Chicago, lar 27,1936)(2:58)
FLETCHER HENDERSON AND HIS ORCHESTRA
Dick Vance(tp,arr) Joe Thomas, Roy Eldridge(tp) Fernando Arbello, Ed Cuffee(tb),Chu Berry(ts) Buster Balley(cl,as) Scoops Carey(as) Elmer Fletcher Henderson(p-1, arr) Horace Henderson(p-2,arr) Bob Lessey(g)John Kirby(b) Sid Catlett(ds)

Roy Eldridge and Chu Berry – September 1935 by coutesey of Christopher Swing & Beyond

名演「Bluet In C Sharp Minor」と同じ日に録音された、日本でもおなじみの「メリーさんの羊」を聴いてください。唄はロイ・エルドリッジです。
6,「Mary Had A Little Lamb」(Chicago.May 14,1936)(2:57)
TEDDY WILSON AND HIS ORCHESTRA
Roy Eldridge(tp,vcl) Buster Bailey(cl) Chu Berry(ts) Teddy Wilson(p) Bob Lessey(g) Israel Crosby(b) Sid Catlett(ds)

 

1938年1月6日に録音されたビリー・ホリディのセッションではテナーがレスターヤングでしたが、それに先立 つ3週間前にテディ・ウィルソン以外異なるメンバーでこの曲が吹き込まれましたが、長い間未発表でした。レス ターのものと比較して聴いてみるのもおもしろいと思います。
7.「When You’re Smiling」(NYC, Dec 17,1937) (2:58)
TEDDY WILSON AND HIS ORCHESTRA
Hot Lips Page(tp) Pee Mee Russell(cl) Chu Berry(ts) Teddy Wilson(p) Allen Reuss(g) unknown(b)unknown(ds)

 

今度のセッションはチュー・べリーだけではなく、ミルドレッド・べイリーの決定的名唱としても知られるもの です。別テイクも聴いてみると、ソロの出来はオリジナルテイクに分があるように思います。チュー・ペリーだけ ではなく、ハンク・ダミコや特にデーブ・タフのドラミングにも注目して欲しいと思います。
8.「Lover Come Back To Me」(NYC, Jan 10,1938)(3:18)
MILDRED BAILEY AND HER ORCHESTRA
Jimmy Blake(tp) Hank D’Amico(cl) Chu Berry(ts) Teddy Wilson(p) Allen Reuss(g) Pete Peterson(b) Dave Tough(ds) Mildred Bailey(vcl) Eddie Sauter(arr)

「Lover Come Back To Me」別テイク

Photo by mibandamemata

次の演奏はラジオ放送を収めたもので、司会者がソロイストを次々と紹介しながら演奏が続いていくところな どは正に臨場感あふれるものとなっています。
9.「Someday Sweetheart」(NYC, Jan 20,1939)(4:45)
Harry James, Charlie Teagarden(tp) Jack Teagarden(tb,vcl) Joe Marsala(cl) Chu Berry(ts) Teddy Wilson(p) John Kirby(b) George Wettling(ds)(Broadcast from the Hickory House)

 

Photo courtesy by Visual discography of Billie Holiday

彼はビリー・ホリディと何回かセッションを共にしていますが、この演奏はその一つです。レ スター・ヤングとの共演はあまりにも有名ですが、今となってはこのセッションも貴重というべきでしょう。
10.「That’s All Ask Of You」(Jan 20,1939) (2:59)
BILLIE HOLIDAY AND HER ORCHESTRA
Charlie Shavers(tp) Tyree Glenn(tb) Chu Berry(ts) Sonny White(p) AI Casey(g) Johnny Williams(b) Cozy Cole(ds) Bille Holiday(vcl)

 

彼は生涯に一度だけカウント・ベイシー楽団と共演していますが、その演奏が次の曲です。レスター・ヤング と共演した唯一の演奏です。レスターとの違いを味わってください。いつもの豪快さは影を潜め、おとなしめのソロとなっています。
11.「Oh Lady Be Good」(Feb 4,1939)(3:09)
COUNT BASIE AND HIS ORCHESTRA
Ed Lewis, Shad Collins(tp) Buck Clayton(tp, arr) Harry Edison(tp) Bennie Morton, Dicky Wells. Dan Minor(tb) Earle Warren(as) Lester Young, Chu Berry(ts) Jack Washington(as, bari) Count Basie(p) Freddie Green(g) Walter Page(b) Jo Jones(ds)

 

スイング時代 には三つの代表的なセッションがありました。ライオネンル・ハンプトンをリーダーとするビクター・セッショ ンとミルドレッド・ベイリーをリーダーとしたコロンビアのセッション、最後はテディ・ウィルソンをリーダーとするブランズウィック・セッション(ビリーホリディ名義のものを含む)です。この演奏はハ ンプトンのセッションの一つで、曲の最初から最後までブロウし続けるチュー・ベリーのソロは正に聞き物です。
12.「Sweethearts On Parade」(NYC, Apr 5,1939)(3:02)
LIONEL HAMPTON AND HIS ORCHESTRA
Chu Berry(ts) Lional Hampton(vib, vcl) Clyde Hart(p) Allan Ruess(g) Milt Hinton(b)Cozy Cole(ds)

 

キャブ・キャロウェイ楽団におけるバラードの名演といえば真っ先に上げられるのが次の演奏でしょう。情感 にあふれた彼のバラードプレイは聴く者の胸を打ちます。
13.「A Ghost Of A Chance」(Chicago,June 27,1940)(2:56)
CAB CALLOWAY AND HIS ORCHESTRA
Mario Bauza, Dizzy Gillespie, Lammer “right(tp) Tyree Glenn(tb,vib) Quentin Jackson, Key Johnson(tb) Chu Berry, Walter Thomas(ts) Benny Payne(p) Danny Barker(g) Milt Hinton(b) Cozy Cole(ds) Cab Calloway(vcl) Benny Carter, Andy Gibson, Edgar Battle, Don Redman(arr)

Photo by Discogs

 

2回目(最後)の彼のリーダー・セッションからジャズのスタンダードである「明るい表通りで」を演奏します。 ジョニー・ホッジスを始めとした数々の名演と比べても、決して見劣りすることがないプレイだと思うのですが 皆さんはどう感じられましたでしょうか。
14.「On The Sunnyside Of The Street」(NYC, Aug 28,1941)(3:56)
CHU BERRY AND HIS JAZZ ENSEMBLE
Hot Lips Page(tp) Chu Berry(ts) Clyde Hart(p) AI Casey(g) AL Morgan(b) Harry Yaeger(ds)

 

さて彼の演奏は如何だったでしょうか。有名なビッグバンドに在籍中の演奏はかなり残っているのですが、そ の他の演奏はリーダーセッションが2回しかないのと、コンボでの演奏が細切れに散在しているため、彼の演奏 を聴くには多大な努力が必要です。そのためコールマン・ホーキンスやベン・ウェブスターに比べ過小評価される のはやむを得ないと思いますが、その演奏をつぶさに聴くと彼の演奏の素晴らしさがわかっていただけると信じ ています。今回の特集がチュー・ベリーに対する皆さんの再評価につながれば良いなあと思います。

大阪ジャズ同好会第30回例会概要(2)・参加者持ち寄り『ソロ・ピアノの世界』(前編)

April 10.2018

大阪ジャズ同好会第30回例会概要(2)

参加者持ち寄り『ソロ・ピアノの世界』(前編) 当日配布されたレジュメを添付します。

ソロ・ピアノはジャズの世界では古くから録音が残されています。今回は6人の方が各人お気に入りの演奏をご紹介頂きました。本ブログでは映像も交え2回に分けてご紹介された楽曲の一部を添付致します。

T村氏

(1) Here is Teddy Wilson plays “I’ve got a feeling I’m falling” .
Live “Metropolitan Opera House”, New York, January 18, 1944
本コンサートではアート・テイタムが参加していたにも拘らず「ソロピアノ演奏を任された」と解説されました。

 

(2)Here is Erroll Garner plays “That old feeling”.
New York, March 14, 1955
「ガーナーはこのレコードだけでええ」

 

(3)Here is Oscar Peterson plays “I concentrate on you”.
Tallinn, Estonia, November 17, 1974

 

Y瀬氏
ブルーベックのソロ演奏をご紹介されましたが、ブログではYouTube映像でのソロ演奏を添付しました。
(1)Here is Dave Brubeck plays “Thank You”.

(2)Here is Dave Brubeck Quartet play “La Paloma Azul (The Blue Dove)”.
4曲目「Blue Dove」は原曲「La Paloma」です。カルテットの映像をお楽しみ下さい。
Dave Brubeck(p), Paul Desmond(as), Joe Morello(ds), Eugene Wright(b) France, July 22, 1967

 

H氏

セロニアス・モンクの特殊なピアノ技法は「他人の作曲した曲のソロ演奏」を聞くとよく理解出来るとの解説でした。(納得)
(1)Here is Thelonious Monk plays “Smoke gets in your eyes”.
Paris, France, June 7, 1954

(2)Here is Thelonious Monk plays “April in Paris”
N2ew York, April 12, 1957

 

 

K氏(西明石から毎回ご出席)
板橋文夫「渡良瀬」YouTubeからの音源でご容赦下さい。
ビル・エバンスも貴重な映像がYouTubeにありました。

Here is 板橋文夫 plays 「渡良瀬」

Here is Bill Evans plays “I Loves You Porgy” (NYC 1969)

 

T井氏(奥様と毎回参加されています)
Inaki Sandovalのソロ演奏をYouTube映像でお楽しみ下さい。
(1)Here is Iñaki Sandoval plyas “Old Folks “
Solo Piano concert at Metropolia University Hall, Helsinki (Finland)
March 22nd, 2011

(2)Here is Iñaki Sandoval plyas “All of You”
Solo Piano concert at Metropolia University Hall, Helsinki (Finland)
March 22nd, 2011

(3)ピアニスト工藤隆のHPを添付しました。
http://jamandouq.com/

尚、Tさんの奥様のお店「miss evans」をご紹介します。「大阪ジャズ喫茶map」9番のお店です。http://cafemissevans.wixsite.com/missevans

 

Mildred Bailey and Her Alley Cats “with Bunny Berigan”

November 03.2017

Photo above of Red McKenzie and Bunny Berigan,Eddie Condon at the guiter, Joe Bushkin at the piano

Bunny Berigan participated in three recordings in December,1935.

Photo above of Eddie Condon and Bud Freeman of courtesy by Wall Street Journai

(1)Bud Freeman And His Windy City Five
  New York December 4, 1935.

(2)Mildred Bailey and Her Alley Cats: Mildred Bailey New York December 6, 1935.

(3)Bunny Berigan And His Blue Boys  New York December 13, 1935.

 

I am interested in the recordings of Mildred Bailey and Her Alley Cats.

So I want to post about the background of this recording.

John Hammond was contracted by Parlophone Records to produce a series of American jazz performances that were to be released in Great Britain.

Photo by courtesy of Frank Driggs Collection
Hammond at a recording session with Buck Clayton, Lester Young, Charlie Christian, Benny Goodman and Count Basie.

Hammond assembled Teddy Wilson,Grachan Moncur, Johnny Hodges and Bunny Berigan for Mildred Bailey.

Berigan and Hodges had never performed together as front-line men before this session.

These four tracks-twit jazz standards and two blues.

“Downhearted Blues,” is a well-known tune that had been Bessie Smith’s first issued recording.

In 1941, the American Decca record company reissued them as part of a six record set entitled “Gems of Jazz.”

1935年12月Bunny Beriganは3つの異なったメンバーと重要な録音に参加しています。

(1)12月4日 Bud Freeman And His Windy City Five
 6曲

(2)12月6日 Mildred Bailey and Her Alley Cats    4曲

(3)12月13日 Bunny Berigan And His Blue Boys 4曲

上記においてMildred Bailey and Her Alley Cats の録音は異色の録音であると思いました。

以下、Mildred Bailey and Her Alley Catsの録音について調べてみました。

その当時John Hammondは英国市場向けのジャズレコード製作契約をParlophone Recordsと締結しました。

HammondはMildred Baileyの伴奏者としてTeddy WilsonとGrachan MoncurとJohnny Hodges並びにBunny Beriganを録音スタジオに招きました。

興味深いことにJohnny HodgesとBunny Beriganはこの日まで一緒に演奏したことはなかったそうです。

全4曲はジャズスタンダード2曲とブルース2曲で構成されています。

尚 「Downhearted Blues」はBessie Smithが録音したブルースの古典として有名な曲です。

1941年、アメリカDecca社はこの日の4曲を「Gems of Jazz(6枚組SPアルバム)」の一部として収録し再発売しました。

Here is Mildred Bailey and Her Alley Cats play “Willow Tree”.
Mildred Bailey (vocal), Bunny Berigan (tp), Johnny Hodges (as), Teddy Wilson (p), Grachan Moncur (b)
60201 A New York December 6, 1935.

 

Here is Mildred Bailey and Her Alley Cats play “Honeysuckle Rose”.
60202 A Members of the recording are the same as above.

 

Here is Mildred Bailey and Her Alley Cats play “Squeeze Me”.
60203-A Members of the recording are the same as above.

 

Here is Mildred Bailey and Her Alley Cats play “Hearted Blues”.
60203-A Members of the recording are the same as above.

 

Here is Bessie Smith sings “Down Hearted Blues”(1923)

 

 

Jazz Mission to Moscow

July 18.2017

After Benny Goodman returned home and his members was dissolved ,Jack Lewis produced an album called Jazz Mission to Moscow.

Producer Jack Lewis had worked for Colpix, a new record label set up by Columbia Pictures.

Jack entrusted Al Cohn as arranger, and Al Cohn made this “ten-tette” sound like a true big band.

I think Al Cohn had done a terrific arrangements.

Interesting Al Cohn did’ t participate in the tour of Benny Goodman.

As one of reasons this recording is valuable,Eddie Costa had participated as pianist.

Photo above of Vinnie burke and Tal Farlow and Eddie Costa by courtesy of Pinterest.

Because Victor Feldman had flown home to California, and Teddy Wilson and John Bunch had stayed in Paris.

So producer Jack Lewis Costa called Eddie Costa on recording.

He played an engaging solo in “The Sochi Boatman”.

Unfortunately it was Eddie’s last recordings.

He died in a car accident two weeks later, in the early hours of July 28th, 1962.

I referred to the article by Fernando Ortiz de Urbina( June 27, 2011)

Photo by courtesy of Bill Crow
at the Jazz Mission to Moscow session

Benny Goodmanが帰国しバンドが解散された後に、Jack Lewisが「Jazz Mission to Moscow」というアルバムを製作しました。
Jack Lewisは映画会社のColumbia Picturesが設立したColpixレーベルでプロデューサーとして雇われていました。
アルバム制作に際しJack Lewisは編曲者としてAl Cohnを起用し、Al も10人編成ながらビッグバンドのような サウンドを作り上げ期待に応えました。
Al CohnはBenny Goodmanのツアーに参加しなかったにも拘らず、素晴らしい編曲を提供したと思います。
又、このレコーディングはEddie Costaの参加が価値を高めています。
何故ならVictor Feldman はCaliforniaの自宅に帰っておりTeddy WilsonとJohn BunchはParisで演奏していたからです。
そのためJack LewisはEddie Costaをピアニストに抜擢しレコーディングに臨みました。
Eddie Costaは「The Sochi Boatmanにおいて素晴らしいソロを披露しました。
残念なことですがこのレコーディングがEddie Costaにとって最後の演奏になりました。
彼は2週間後、1962年7月28日の早朝に自動車事故で死亡しました。
以上はFernando Ortiz de Urbina(2011年6月27日)の素晴らしい記事を一部引用しました。

Here is  The Sochi Boatman”.

Here is “Let’s Dance”.

Here is “Midnight In Moscow”.

  • Alto Saxophone, Clarinet – Phil Woods
  • Alto Saxophone, Flute – Jerry Dodgion
  • Arranged By, Conductor – Al Cohn
  • Baritone Saxophone – Gene Allen
  • Bass – Bill Crow
  • Drums – Mel Lewis
  • Engineer – Ed Begley
  • Piano – Eddie Costa
  • Tenor Saxophone – Zoot Sims
  • Trombone – Willie Dennis
  • Trumpet – Jimmy Maxwell, Markie Markowitz
  • July 12, 1962 at Webster Hall, New York.

Benny Goodman in Moscow

July 17.2017

Last week I went to a Jazz bar in Umeda in Osaka city.

The master likes Russia and I heard an interesting story about Moscow from him.

Recently I saw the documentary film when Benny Goodman visited to Moscow.

So l would like to post about Benny Goodman’s tours in Moscow.

In 1956, the US State Department created the Jazz Ambassadors program, hiring

leading American Jazz musicians such as Louis Armstrong, Dizzy Gillespie,

Benny Goodman, and Duke Ellington to be “ambassadors” for the United States overseas.

Benny Goodman was probably the world’s best-known jazz musician.

So he traveled the world as Musical Ambassador of Good Will for the United States.

In those days The Times said that some people felt Duke Ellington should have been the first American jazz band to make an official tour of Russia.

In 1962, Benny Goodman embarked on a tour of the USSR with a top-notch big band.

He assembled many superior musicians as sideman.

Photo above of Sightseeing in the Soviet Union by courtesy of Bill Crow
Mel Lewis, Joe Newman, Jimmy Knepper,Willie Dennis, Bill Crow, Victor Feldman

Photo  by courtesy of Bill Crow
Jimmy Knepper,  Phil Woods ,  Turk Van Lake , Teddy Wilson

Joe Newman and Jimmy Maxwell on trumpets, Willie Dennis on trombone, Phil Woods, Jerry Dodgion, and Zoot Sims in the reed section, and a rhythm department comprising by John Bunch, Teddy Wilson, Victor Feldman, Bill Crow and Mel Lewis.

About Benny Goodman’s tour, please refer to this website. Go here

Tomorrow I would like to post about “Jazz mission to Moscow”.

先週の金曜日、大阪梅田にある有名なJazz Barに行きました。(ライブ演奏は一切ありません)
マスターはロシアが大好きで、過日行かれたモスクワでの興味深いお話をお聞きしました。又、日本では珍しいウオッカも飲ませて頂きました。(写真)

最近、YoutubeでBenny Goodmanが1962年にモスクワを訪問した時に撮影されたドキュメンタリーフィルム(旧ソ連製作)を観て面白いなと思いました。
そんな訳で1962年にBenny Goodmanがモスクワを訪問したことにつ
いて投稿したいと思います。
1956年、米国国務省は有名ジャズ音楽家のよる外交推進を目的として 「The Jazz Ambassadors program」を創設しました。
Louis Armstrong, Dizzy Gillespie, Benny Goodman, Duke Ellington が「音楽親善大使」として選ばれました。
第二次世界大戦後でもBenny Goodmanは世界で最も有名なジャズミュージシャンでした。それ故、Benny Goodmanは音楽の親善大使として世界中を旅していました。
一方、政府によるソビエトへの公式ツアーがBenny Goodman楽団と決定された時、ニュース雑誌のTimesは最初に訪問すべき音楽家としてはDuke Ellingtonの方がふさわしいとの見解も示していました。
1962年に、Benny Goodmanはモスクワへのツアー準備を開始しました。
サイドマンとして多くの優れたミュージシャンが集められました。

Joe Newman and Jimmy Maxwell(tp)Willie Dennis (tb), , Phil Woods, Jerry Dodgion, and Zoot Sims(reed section), John Bunch, Teddy Wilson,Victor Feldman(p), Bill Crow (b) Mel Lewis.(ds)

Benny Goodmanツアーの詳細についてはこのウェブサイトを参照してください。こちらをこクリックして下さい。

明日は名盤「Jazz mission to Moscow」について投稿する予定です。

Here is Benny Goodman in USSR by documentary film.(演奏場面は少ないです。)

Here is Benny Goodman and His Orchestra 1962 “Benny introduced his members”.Moscow, May 1962

Here is Benny Goodman and His Orchestra play “Bugle Call Rag”.

The initial story of Oscar Peterson(3)

May 31.2017

Photo above of Peterson with Russ Dufort(ds) and Armand Samson(g) by courtesy of
Concordia University

Photo above of Art Tatum by courtesy of 100piano.com

In his early days Peterson was influenced by Teddy Wilson, James P. Johnson and Art Tatum.

In particular, there is an interesting story about receiving his shock by Art Tatum’s recordings.

When his father played him Art Tatum’s “Tiger Rag”,he locked himself in his room and did not touch the piano for more than a week.

He talks about his situation at that time.

”I figured it was hopeless to practice. My mother and friends of mine persuaded me

to get back to it, but I’ve had the greatest respect for Art from then on.”

Photo above of James P. Johnson by courtesy of NPR

Photo above of Teddy Wilson by OKMusic

He was in his late teens and already an experienced professional musician.

Since 1942 he had been playing regularly with the Johnny Holmes Orchestra.

Photo above of Oscar Peterson and Johnny Holmes by courtesy vehiculepress.com

Then he left the orchestra in 1947 and began a residency at the Alberta Lounge, a club near Windsor Station.

He soon developed a reputation as a technically brilliant and melodically inventive jazz pianist for two years.

So he won a radio talent contest on Canada’s national network, the CBC in 1949.

As a result he became a regular performer on Canadian radio.

Oscar Peterson had a regular gig at Montreal’s Alberta Lounge.

デビュー前にOscar Peterson に影響を与えたピアニストとしては Teddy Wilson,とJames P. Johnson そしてArt Tatumが挙げられます。
彼が初めてArt Tatumの演奏を聞いた時、強い衝撃を受けたという興味深い話があります。
父親がArt Tatumの「Tiger Rag」のレコードを彼に聞かせた時のことです。
彼は自分の部屋に鍵を掛けて閉じこもり1週間以上ピアノを弾かなかった。

その時の状況について話しています。

「いくら練習なんかしても無駄だと思いました。母と友人達は私が部屋から出るように説得しました。その時以降、Art Tarumに対してはずっと尊敬の念を持ち続けています。」

そのようなことがあっても10代後半には、経験豊富なプロのミュージシャンに育っていました。
1942年以降はJohnny Holmes Orchestraに加入し定期的に演奏していました。
1947年に楽団を退団し、ウィンザー駅の近くにあったAlberta Loungeで本格的なジャズ演奏を始めました。
2年間のクラブ演奏で彼はジャズピアニストとしての礎を築きましたいた。
1949年にカナダ全土でネットワークしているCBCラジオによるピアノコンテストで受賞し、ジャズ番組のレギュラーの地位を獲得するような演奏家になりました。

Here is Art Tatum plays “Tiger Rag”.

Here is Oscar peterson plays “Cakewalk (Noreen’s Nocturne)”.

Here is Oscar Peterson Trio play “Tenderly”.
Oscar Peterson (p), Herb Ellis (g), Ray Brown (b) in Brussels, Belgium 1957