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大阪ジャズ同好会第55回例会(2023年4月9日)概要③特集『読者が選んで制作・録音された名演奏』 

2023年4月12日記

特集「読者が選んで制作・録音された名演奏」

当日は拙宅所蔵の古雑誌も数冊持参致しました。

平野隆史

・メトロノーム誌(アメリカ最古の音楽雑誌/1881年創刊~1961年廃刊)
1930年代半ばからジャズに焦点をあてた記事が多くなり、1938年から1961年まで読者による人気投票を実施。各楽器の得票数首位の奏者を中心としたオールスターズを結成し、レコード会社の垣根を越えた(ビクター、コロンビア、キャピタル)録音を企画しました。(1939~1942年、1945~1950年、1953年、1956年)   George T. Simon(ジョージ・T・サイモン)は1939年から1955年まで編集長を務めていました。 尚、Downbeat誌(1934年シカゴで創刊)も1937年から読者による人気投票を実施するもオールスター編成による録音は企画されませんでした。

1.All Star Band「Blue Lou」
Charlie Spivak,Bunny Berigan, Sonny Dunham (tp) Jack Teagarden, Tommy Dorsey (tb) Benny Goodman (cl) Hymie Schertzer (as) Arthur Rollini, Eddie Miller (ts) Bob Zurke (p) Carmen Mastren (g) Bob Haggart (b) Ray Bauduc (d) New York, January 11 & 12, 1939

2.Metronome All Star NineAll Star Strut」
Harry James (tp) Jack Teagarden (tb) Benny Goodman (cl) Benny Carter (as) Eddie Miller (ts) Jess Stacy (p) Charlie Christian (el-g) Bob Haggart (b) Gene Krupa (d) New York, February 7, 1940

3.Metronome All Star Band「One O’clock Jump(All Star Jump)
Harry James, Ziggy Elman, Cootie Williams (tp) Tommy Dorsey, J.C. Higginbotham (tb) Benny Goodman (cl) Toots Mondello, Benny Carter (as) Coleman Hawkins, Tex Beneke (ts) Count Basie (p) Charlie Christian (el-g) Artie Bernstein (b) Buddy Rich (d) January 16, 1941

4.Metronome All Stars with Frank SinatraSweet Lorraine」
Frank Sinatra(vo),Charlie Shavers(tp) Lawrence Brown(tb) Johnny Hodges(as) Coleman Hawkins(ts) Harry Carney(bs) Nat King Cole(p) Bob Ahern(g) Eddie Safranski(b) Buddy Rich(d) Sy Oliver(arr) New York, December 15, 1946

5.Metronome All Stars「Overtime」
Dizzy Gillespie, Miles Davis, Fats Navarro (tp) Kai Winding, J.J. Johnson (tb) Buddy DeFranco (cl) Charlie Parker (as) Charlie Ventura (ts) Ernie Caceres (bar) Lennie Tristano (p) Billy Bauer (g) Eddie Safranski (b) Shelly Manne (d) Pete Rugolo (arr) New York, January 3, 1949

・エスクァイアー誌(1930年代以降最もよく読まれた男性向け月刊誌)
1944年、レナード・フェザーをジャズ部門の専任記者として委嘱し誌内に専問委員 会を設け批評家による投票を実施。投票結果を資料としたジャズイヤーブック(1年間のジャズ・シーンの動向をまとめた年鑑)を発刊。本企画は1947年末で終了しました。共同編集人Leonard Feather(レナード・フェザー)とBarry Ulanov(バリー・ウラノフ)

6.Esquire’s All American Hot Jazz with 22 Esquire Poll Winners 「Long Long Journey」
Louis Armstrong (tp,vcl) Charlie Shavers (tp) Jimmy Hamilton (cl) Johnny Hodges (as) Don Byas (ts) Duke Ellington, Billy Strayhorn (p) Remo Palmieri (g) Chubby Jackson (b) Sonny Greer (d) New York, January 10, 1946

7.Coleman Hawkins And His All Stars「Jumpin’ for Jane」
Fats Navarro (tp) J.J. Johnson (tb) Budd Johnson (as) Coleman Hawkins (ts) Marion DiVeta (bar) Hank Jones (p) Chuck Wayne (g) Jack Lesberg (b) Max Roach (d) Tadd Dameron (arr)
New York, December 11, 1947

以下2曲は「メトロポリタンオペラハウスで行われた実況録音(Vディスク)」

司会はオーソン・ウェルズ(Orson Welles)

8.The King Cole Trio「Sweet Lorraine」
Nat King Cole (p) Oscar Moore (g) Johnny Miller (b)
New York, January 16, 1946

9.Woody Herman Orchestras And Frances Wayne 「Lover Man」

Woody Herman(as) Frances Wayne (vo)
New York, January 16, 1946

1945年からは「新人賞」も設けられ、女性歌手部門でFrances Wayne(Neal Heftiは配偶者)が受賞。

・プレイボーイ誌(1953年9月創刊)
Hugh Hefner(ヒュー・ヘフナー)がエスクァイアー誌の特徴を引き継ぎ、都会的セン スあふれる男性娯楽誌(ヌード写真を掲載)を発刊。1957年、雑誌の知名度を高めるために「プレイボーイジャズ賞」を設け、読者による人気投票(約43万票)を企画実施 しました。又、レコード会社の垣根を越えた「PLAYBOYレーベル」を創設しオリジ ナル曲含め既出の録音を各社に提供依頼し独自編集によるレコードを発売。 1959年「シカゴのプレイボーイジャズフェスティバル」は68,000人以上のファンを集めました。 音楽投票は1970年代半ばに終了しましたが「プレイボーイジャズフェスティバ ル」は毎年開催され、ニューポートやモントレーと並ぶ野外音楽フェスティバルとしてアメリカ音楽界に貢献しました。

以下、3曲は「PLAYBOYレーベル」オリジナル録音です。

10.Barney Kessel QuartetA Playboy in Love」
Arnold Ross (p) Barney Kessel (g) Red Mitchell (b) Shelly Manne (d)
Los Angeles, July 31, 1957

11.Shelly MannePlayboys Can Cook」

Red Mitchell (b) Shelly Manne (d)
Los Angeles, July 31, 1957

12.Bud Shank QuartetTangerine」
Bud Shank (as) Claude Williamson (p) Don Prell (b) Chuck Flores (d)
Los Angeles, November 8, 1956

「メトロノーム誌~エスクァイアー誌~プレイボーイ誌」が企画し、時にはレコー ド会社の垣根を越えたオールスターにより録音された演奏を聴くことにより「スイ ングからバップ並びにクールに至るジャズスタイルの変遷」が楽しめたと思いま す。

・ご紹介レコード
1.Metronome All Stars (CBS-SOPM188)
2.THE BE BOP ERA(ヴィンテージシリーズLPV 519)
3.Esquire’s All American Hot Jazz with 22 Esquire Poll Winners(日本盤)
4.エスカイヤーズ・オールスターズ1946(軍用Vディスク2枚組)
5.Playboy – All-Star Jazz Poll Winners 1957(2枚組)
6.Playboy – All-Star Jazz Poll Winners 1958(2枚組)

・当日持参雑誌
1.METRONOME「August,1943」
2.METRONOME Year book(1956年~1959年)
3.Esquire Jazz Book(1944~1947)

以上

大阪ジャズ同好会第51回例会概要③特集『チャーリー・クリスチャンの生涯』

解説 寺本 泰規氏

2022年8月17日記

以下、当日配付されたレジュメを転載致します。

以下、当日ご紹介された音源を添付致します。

1.「Flying Home」(Aug.10,1939)

2.「Tea For Two」 (Sept. 24,1939)

3.「Star Dust」 (in Carnegie Hall,Oct.6,1939)

4.「Good Morning Blues」(Dec.24,1939)

5.「All Star Strut(-2)」(Feb.7,1940)

6.「Star Dust」(Oct.4,1940)

7.「False Start~Blues」(Oct.28,1940)

8.「Wholly Cats」 (0ct.28,1940)

9.「One O’clock Jump」 (Jan.16,1941)

  1. Jammin’ In Four」(Feb.5, 1941)

11.「Solo Flight」(March 4,1941)

12.「Blues In B」(March 13,1941)

13.「Waitin’ For Benny」(March 13,1941)

14.「Rhythm-A-Ning」(at Minton’s, 1941)

大阪ジャズ同好会第46回例会概要(3) 『ジャズ・オデッセイシリーズ』の魅力 担当平野

2021年10月15日

日本コロンビアが「ジャズ・オデッセイシリーズ」として発売した3枚組・3シリーズ(ニューオリ ンズ~シカゴ~ハーレム)計9枚から歴史的名演をご紹介致します。(油井正一さんによる解説文も一部抜粋し添付しました)

「ニューオリンズ編」

1.Bunk Johnson「Oh,didn’t he rambl」
Bunk Johnson, Jim Robinson (tb), George Lewis(cl), Baby Dodds (snare-ds) George Lewis’s home New Orleans, 3:15 to 7:30 pm, May 18, 1945
注記:この一曲に限り、ウィリアム・ラッセル氏経営「アメリカン・ミュージック・レコ ード」 のご厚意により収録されました。(ジャズの歴史を検証するため特別に収録されました) このセットを通じて、唯一曲の純ブラス・バンド演奏です。ジャズは19世紀末のこうした黒人ブ ラス ・バンドから起りました。この曲はお葬式の帰り道で演奏されるマーチ曲です。ニューオリ ンズでは、有名人の黒人男性 (男性に限ります)が死ぬとブラスバンドが雇われ、家から墓場まで の道を静かな讃美歌を演奏しながらゆるやかに行進します。埋葬がすむまで悲しい讃美歌が続き ます。しかし一旦家路に戻るときはこうした賑やかなマーチがかなりジャズ的に演奏され、会葬者 一同は生きる者の歓喜と神のみめぐみを讃え、法悦境に浸るのであります。

2.Original New Orleans Rhythm Kings「Milenberg joys」
Paul Mares (cnt), Leon Rappolo (cl) New Orleans, January 23, 1925 キング・オリヴァーの影響をみせたポール・メアーズのバンド指揮とトランペット。さらに晩期な がらレオン・ラポロのクラリネットが最もよくフィーチュアされた演奏として不滅の価値をもつ 演奏です。

3.Sam Morgan’s Jazz Band 「Sing on」New Orleans, April 14, 1927
Sam Morgan (cnt,vcl),Ike Morgan (cnt), Jim Robinson (tb) サム・モーガン・ジャズ・バンドの伝説的な8曲が今回すべて収録されたことは全世界のコレクター を狂喜させました。これらのレコードはいずれも少数がニューオリンズ附近のお客を相手に売りさ ばかれただけで、40年ちかくを経た今では最も入手困難なSP盤に数えられていたからです。

(以下、2曲はニューヨークのスタジオで録音)
4.Clarence Williams’ Blue Five「Texas moaner blues」
Louis Armstrong (cnt), Charlie Irvis (tb), Sidney Bechet (cl,sop), Clarence Williams (p), Buddy Christian (bj) New York, October 17, 1924 (原盤Okeh 8171) クラレンス・ウィリアムスは1915年に楽譜出版社「ピロン=ウィリアムス」を興しました。出版 したヒット曲に《シスター・ケイト》があります。ニューヨークに出てレコード・プロデューサー となりました。1921年のことです。黒人プロデューサーのパイオニアです。20年代を通じて最も 貴重なレコードの幾つかは彼の手になるものです。

5.Noble Sissle 「Dear old southland」
Sidney Bechet (cl,sop), Noble Sissle (dir) New York, April 14, 1937 長い間ノーブル・シスル楽団のスターであったシドニー・ベシェのソプラノ・サックスを存分に フューチュアした録音(注記:録音された当時はSPでは発売されず本レコードで初めて収録された名演です)

第一集「ニューオリンズ」あとがき(一部抜粋)
ジャズの歴史の最も重要な部分である創生期のニューオリンズ・ジャズは今まで文献によってしか知ることができませんでした。 (中略) SP時代を含めて我々が聴くことができたニューオリンズ・ジャズの多くはニューヨ ーク・シカゴで吹きこまれたものか、1940年代以降再発見されたオール ドタイマーによる懐古的な吹きこみでありました。このセットによって私たちの前に展開される のは、文献にその名をとどめている人たちが、その絶頂期に吹きこんだものでありまして、これ らによってはじめてニューオリン ズ・ジャズの実体が把握できるといっても過言ではないのであ ります。

「シカゴ編」


6.King Oliver And His Creole Jazz Band「Tears」
King Oliver, Louis Armstrong (cnt), Honore Dutrey(tb),Johnny Dodds(cl),Charlie Jackson (bassax),Lil Armstrong(p), Johnny St. Cyr(bj), Baby Dodds (ds) October 8 & 9, 1923 (原盤 Okeh 40000) キング・オリヴァーはシカゴに着いた瞬間からサウスサイドジャズの最大スターになりました。

7.Jelly Roll Morton’s Jazz Band 「Someday sweetheart」October 30, 1923 (原盤 Okeh 8105) この演奏の最初の部分が典型的なニューオリンズ・アンサンブルになっておらず、メロディの提示 により関心を払っている点に一寸とまどいを感じるかもしれません。

8.Chicago Footwarmers 「Get ‘em again blues」July 2, 1928(原盤 Okeh 8599)
Natty Dominique (cnt),Kid Ory (tb), Johnny Dodds(cl), Jimmy Blythe(p), Baby Dodds(洗濯 板) ジミー・ブライスは1930年代のなかば頃に30才代でこの世を去ったブルース・ピアニストですが 20年代のシカゴで多くの黒人コンボ・レコーディングを吹きこみました。その多くはウォッシュ ボード(洗濯板)やカズー(吹奏する玩具)など土俗的な香りの編成をとりいれましたが、メンバーが よく今日では珍重されています。

9.McKenzie And Condon’s Chicagoans「Liza」(原盤 Okeh 40971)
Jimmy McPartland (cnt), Frank Teschmacher (cl), Bud Freeman (ts), Joe Sullivan (p), Eddie Condon (bj), Jim Lannigan (tu,b), Gene Krupa (ds), Mezz Mezzrow(cymbals), December 16, 1927 オースチン高校生たちの間に生まれたシカゴ・スタイルが初めて吹き込まれたときの記念すべきレ コードです。若い(白人)ミュージシャンたちは、オリヴァーの出ている「リンカーンガーデン」に 殺到するようになりました。オリヴァーの演奏を勉強の手本とするようになりました。

10.Jimmy Yancey 「Bear trap blues」
Jimmy Yancey (p) Faber Smith (vcl) February 23, 1940 (原盤 Vocalion 05490) ジミー・ヤンシー(1894~1951) は, ブギウギ・ピアノの父として知られる存在です。一生をシカ ゴのホワイト・ソックス球場のグラウンド・キーパーとして働き、自宅にピアノを持たず「家賃パー ティ」にひょっこり現われては歓迎されたピアニストで、本質的にはブルース・ピアノですがスパ ニッシュ・リズムや西印度諸島のラテン・リズムさえも交錯しあった不思議なリズム感は黒人庶 民芸術を研究する人々を狂喜させずにはおきません。

第二集「シカゴ」あとがき(一部抜粋)
ニューオリンズにつぐ第二のジャズ都市シカゴは、ニューオリンズよりもはるかに変化のある動き を呈しました。(中略)ジャズ史上、最も多彩なシカゴ時代がこのように要領よく編集されたことを 愛好者の一人として心からうれしく思います。(冒頭の)「シカゴのジャズ」を執筆したジョン・スターイナー氏はイリノイ大学の化学科の教授で、1930年代の終わりから、シカゴ・ジャズ史の研 究に没頭しパラマウントレコードを興し、歴史的名盤を再発売しています。会社に原盤がないのでミュージシャン、研究家の所蔵レコードをかなり多く借用して採録したとのことですが、ほとんど針音もなく立派なコレクションが出来上がったことは、文化財としての価値を不滅のものにし ております。

「ニューヨーク編」

11.James P. Johnson「Keep off the grass」 October 18, 1921 ( (原盤 Okeh 4495) 「ストライド・ピアノの父」とよばれるジェイムス・P・ジョンソンはニュージャージー州ニュー・ ブルンスウィックの生まれですが、一生を二ューヨークで過しました。このレコードでの彼は初期 のラグタイムの影響から脱し、よりジャズ的になっています。ジョンソンもまた先輩のユービー・ ブレイクと同様作曲に秀で、のちスタンダードとなった曲を書いています。

  1. Fletcher Henderson And His Orchestra「Livery stable blues 」
    Russell Smith, Joe Smith, Tommy Ladnier (tp), Jimmy Harrison, Benny Morton (tb), Buster Bailey (cl,as), Don Redman (cl,as,arr) Coleman Hawkins (ts,cl), Fletcher Henderson (p), Charlie Dixon (bj), June Cole (tu), Kaiser Marshall (ds) April 28, 1927 当時ヘンダーソンの編曲者はドン・レッドマンでした。 各セクションを対立させてのアンサンブ ルはのちヘンダーソン・スタイルとして有名となり、ベニー・グッドマン楽団にうけつがれてゆく ものです。第3コーラスに現われるクラリネット・ユニゾンを用いたアンサンブルは、ヘンダーソ ンスタイルの代表的なサウンドのひとつです。

  1. Bessie Smith 「Standin’ in the rain blues」
    Bessie Smith (vcl), Demas Dean(tp),C. Green (tb), F. Longshaw (p) February 21, 1928 テネシー州チャタヌガに生まれたベッシー・スミス(1895-1937) は最大のブルース歌手といわれ 「ブルースの皇后」とよばれました。彼女が出演するとリンカーン劇場やラファイエット劇場はい つも満員の聴衆を集めたといいます。30年代に入ると彼女は急速に人気を失い、彼女自身も下り 坂に向いました。

14.Luis Russell And His Orchestra「The new call of the freaks」September 6, 1929
Henry “Red” Allen, Bill Coleman (tp), J.C. Higginbotham (tb,vcl), Albert Nicholas (cl,as), Charlie Holmes (as,sop), Teddy Hill (ts), Luis Russell (p,dir), Will Johnson (bj,g), Pops Foster (b), Paul Barbarin (ds) (原盤 Okeh 8734) ディキシーの標準編成と思われていたトランペット、 トロンボーン、クラリネットによる三管ア ンサンブルが実はかなりあとになってから完成されたもので、ニューオリンズ・ジャズの絶頂期に 於いては、サックスが極めて重要な存在であったことを実証しています。

15.Thomas “Fats” Waller And His Hot Piano「Draggin’ my heararound」March 13, 1931 ファッツ(太っちょ)というでアダ名で知られたトーマス“ファッツ”ウォーラーは1920年代から頭 角を現わしてきたピアニストで、クラブでピアノを弾くほか劇場ではオルガンを弾きました。(中略)ウォーラーはまたすぐれた歌手でした。後期のものには、おどけ切って「イエス! イエス!」 を乱発する趣味のわるいものもありますが、そのペーソスにみちたバラードは絶品です。

16.Harlan Lattimore And His Connie’s Inn Orchestra「Chant of the weed」Langston Curl, Shirley Clay, Sidney DeParis (tp), Claude Jones (tb,vcl), Quentin Jackson, Benny Morton (tb), Don Redman (cl,as,vcl), Edward Inge, Rupert Cole (cl,as), Robert Carroll (ts), Horace Henderson (p,arr) Talcott Reeves (bj,g), Bob Ysaguirre (tu,b), Manzie Johnson (ds), Harlan Lattimore (vcl) June 17, 1932 日本コロムビアが日本で自主的に編集した「ジャズの歴史」に「ドン・レッドマン楽団」の名で 収録されたものと同一の母盤によるもので最初は「ハーラン・ラティモア楽団」 の名で出たので した。日本で最初に出た時《マリファナの歌》 という邦題がつけられましたが、この場合 weed (雑草)というのは麻薬タバコの原料であるマリファナを指しています。その麻薬に酔いしいれた気 分を音楽にしたもので、その奇怪なハーモニーはまさに当時として第一級の前衛的作品であったと 申せましょう。レッドマンはその後ながくこの曲を自分のテーマとして用いました。

17.Cootie Williams And His Orchestra「Epistrophy」 Chicago, April 1, 1942 未発売原盤による珍品です。《エピストロフィー》は 現在セロニアス・モンクのテーマ曲となっ ていますが,当時モンクとケニー・ クラークが共作しジョー・ガイがウィリアムスの許に特参。クー ティは早速デーヴ・マクレーにアレンジさせたものであります。バップの最も初期のレコーディン グであるこのレコードが今回はじめて陽の目をみたことは喜ばしい限りです。その頃この曲は 《フライ・ライト》と題されていました。

第三集「ハーレム」まえがき(一部抜粋)
愛好家の中には、本集の選曲方針があまりにも広範囲に亘っている点に不満を抱かれるかたがあ るかもしれません。しかし、その点にこそ、アラビアン・ナイト的なハーレム芸能の多彩さがう かがえるわけであります。

今回ご紹介したレコード「ジャズ・オデッセイシリーズ」(ニューオリンズ~シカゴ~ハーレム)

1.THE SOUND OF NEW ORLEANS 1917~1947(3枚組)
2.THE SOUND OF NEW ORLEANS 1923~1940(3枚組)
3.THE SOUND OF HARLEM(3枚組)

            以上

大阪ジャズ同好会第41回例会持ち寄り(2020年2月9日)『ジャム・セッションの名演』①

February 12,2020

『ジャム・セッションの名演』前半4人のお気に入りをご紹介します。

・竹村氏(短いコメントも転載しております)

1.Midnight At Minton’s

Here is Don Byas and Joe Guy and Thelonious Monk play “I Can’t Give You Anything But Love”.
Midnight At Minton’s:
Joe Guy (tp) ,Don Byas (ts) ,Thelonious Monk (p) unknown (b) Kenny Clarke (ds)
Live “Minton’s”, New York, 1941
ビバップ誕生の聖地、ミントンズ・クラブでの貴重な実況録音

2.Charlie Christian in Minneapolis

Here is Charlie Christian plays “ I got rhythm”.
Jerry Jerome (ts),Frankie Hines (p), Charlie Christian (g), Oscar Pettiford (b),
Live “Harlem Breakfast Club”, Minneapolis, MN, September 24, 1939
ミネアポリスのハーレム・ブレックファースト・クラブでの、アフターアワーズ・ジャムセッション。

3.Jazz from a Swinging Era

Here is Buck Clayton and his All Stars play “Into The Blues Bag”.
Buck Clayton, Roy Eldridge (tp), Vic Dickenson (tb), Earl Warren (as) ,Bud Freeman (ts), Sir Charles Thompson (p), Bill Pemberton (b), Oliver Jackson (ds)
Paris, March 12, 1967
バック・クレイトン・ジャムセッションの最後のオールスターズでのパリ公演。

・K氏

Buck Clayton Jam Session

Here is Buck Clayton All Stars play “All The Cats Join In”.
Buck Clayton, Ruby Braff, Billy Butterfield(tp), J.C.Higginbotham(tb),
Tyree Glenn(tb, vib), Coleman Hawkins, Julian Dash(ts), Kenny Kersay(p) ,Steve Jordan(g) ,Walter Page(b), Bobby Donaldson(ds) NYC March 5,1956
ソロの順番
Hawkins(ts)-Glenn(vib)-Braff(tp)-Higginbotham(tb)-Glenn(vib)-Braff(tp)- Higginbotham (tb)-Butterfield(tp) -Glenn(tb) -Clayton(tp)-Dash(ts)-Kersy(p)

当日、本録音は約2分短いバージョンもあると解説されました。以下添付します

・H氏

The Historic Mocambo Session ’54

Here is Shotaro Moriyasu plays ”I Want To Be Happy”.
守安祥太郎(p),宮沢昭(ts),鈴木寿夫(b),清水 潤(ds)
July 27-28,1954

植田紗加栄(著)
「そして、風が走りぬけて行った―天才ジャズピアニスト・守安祥太郎の生涯」をご紹介されました。

ブログ作成者もモカンボセッションをリストアップしておりました。1曲追加させて下さい。
Here is Shotaro Moriyasu plays ”Strike Up The Band”.
守安祥太郎(p),宮沢昭(ts),鈴木寿夫(b),清水 潤(ds)
July 27-28,1954

・Y瀬氏

Lionel Hampton And His Just Jazz All Stars
2月の放出例会の持ち寄り、ジャムセッションとは無縁と思いこみ、「聴きに徹しようか」と思っていたのですが、実はジャズの目覚めは18歳を迎える昭和28年(1953年)の正月、一族の子らが集う席へ遠縁の大学生が持ち込んだSP2枚の表と裏の計4面にわたる「スターダスト」でした。すっかり魅了され、繰り返し聴いて長年の愛聴曲となったのですが、ハンプトンのイントロで始まり、ウイリー・スミス(as)、チャーリー・シェイバース(tp)、バーニー・ケッセル(g)ら初めて名を知る名手が音を紡ぎ、やがて圧倒的なハンプトンのソロに。これこそ、まさにジャムセッションだったのですね。

Here is Lionel Hamton All Stars play “Star Dust”.
Lionel Hampton And His Just Jazz All Stars:
Charlie Shavers (tp) Willie Smith (as) Corky Corcoran (ts) Lionel Hampton (vib) Tommy Todd (p) Barney Kessel (g) Slam Stewart (b) Lee Young (d)
CA Civic Auditorium,Pasadena, August 4, 1947

Y瀬氏はSPレコード2枚(表裏4面)を神戸ジャズサロン(2018年2月例会)にご持参されていました。当日撮影した写真を添付します。

大阪ジャズ同好会第39回(2019年10月13日)「日本盤ヴィンテージ・シリーズの魅力」②

October18,2019

担当 平野隆史

特集「日本盤ヴィンテージ・シリーズ」の2回目です。今回も油井正一氏による解説文(一部抜粋)を添付します。(当日補足資料として配付しました)

1.「グランド・テラス・バンド/アール・ハインズ」
Here is Earl Hines And His Orchestra play ”G. T. Stomp”.
Earl Hines And His Orchestra:Walter Fuller (tp,vcl) Milton Fletcher, Ed Sims (tp) George Dixon (tp,as,bar) Ed Burke, John Ewing, Joe McLewis (tb) Omer Simeon (cl,as) Leroy Harris (as) Budd Johnson (as,ts,arr) Robert Crowder (ts) Earl Hines (p) Claude Roberts (g) Quinn Wilson (b,arr) Alvin Burroughs (ds) Horace Henderson, Jimmy Mundy, Skippy Williams (arr) NYC, July 12, 1939

1928年シカゴのクラブ「グランド・テラス」で旗挙げされ、以後19年にわたって彼がひきいていたすばらしいビッグ・バンドの演奏だ。
1928年末―正確にはハインズの誕生日にあたる12月28日 に、シカゴのサウス・サイドに開店した「グランド・テラス」 は中央にダンス・フロアー、周囲にテーブル、入口の反対側にはるかはなれてバンド・スタンドが配置され、フロアー・ショウもよび物のひとつになっていた。このクラブの主たる株主は、夜の大統領アル・カポネが所有していたといわれる。1929年はシカゴ・ギャングの跳梁が絶頂に達した年で、「聖ヴ アレンタイン・デイの虐殺」が行われた年でもあった。ハインズのバンドはこのクラブを牙城とし、幾多の俊英を世に送りだしたが、このアルバムに収録されているのは、ス イング時代の絶頂期、1939年7月から40年6月にかけての一 年間に吹きこまれた名演16曲である。

2.「ボディ・アンド・ソウル/コールマン・ホーキンス」
Here is is Coleman Hawkins plays ”Body and Soul”.
Tommy Lindsay, Joe Guy (tp) Earl Hardy (tb) Jackie Fields, Eustis Moore (as) Coleman Hawkins (ts,arr) Gene Rodgers (p,arr) Oscar Smith (b) Arthur Herbert (ds) Thelma Carpenter (vcl) Hazel Scott (arr) NYC, October 11, 1939

ジャズの歴史上最も有名なレコーディングのひとつである。しかしホーキンス自身はこのレコードの伝説的なヒットに首をかしげ、「私はいつもこのように吹いていた。どうしてこのレコードだけが圧倒的にうけたのかがわからない」といっている。ヨーロッパに渡って5年間をすごしたホーキンスの帰国第一作であり、ヨーロッパでのレコーディングはアメリカでも発売されていたというが、つねに「オーバーなほどセンチでテクニック過剰だ」としてミュージシャンと批評家から過少評価をうけていたーときくと、このレコードがうけた原因も解明できそうだ。しかし立派な作品であることにはかわりない。

3.「ジャズの巨人/シドニー・べシェ」
Here is Sidney Bechet and his New Orleans Feetwarmers play ”Egyptian Fantasy”.
Sidney Bechet and his New Orleans Feetwarmers:Henry Allen(tp) J.C. Higginbotham(tb) Sidney Bechet(cl) James Tolliver(p) Wellman Braud(b) J.C. Heard(ds) New York, January 8, 1941

シド ニー・ベシェは、ジャズ・クラリネットおよびソプラノサックスの大巨星であった。彼の全盛期のレコードは、比較的知られていない。(中略)… ここにはじめてビクターに残された、彼の中期の傑作16曲が公開された。これらを聴いて、シドニー・べシェがジャズ界に残した偉大な功績を再認識されるファンも多いだろうし、またそうあってほしいものである。その力強さ、その創造力、そして絢爛たる表現力は、彼の偉大さを証明するものでなくして、何であろうか?

番組のバージョンとは異なります。

4.「エスクァイアー・オール・アメリカン・ホット・ジャズ」
Here is Leonard Feather’s Esquire All Americans play ”Long, Long Journey”.
Leonard Feather’s Esquire All Americans:(by the 1946 Esquire Hot Jazz Award Winners)
Louis Armstrong (tp,vcl) Charlie Shavers (tp) Jimmy Hamilton (cl) Johnny Hodges (as) Don Byas (ts) Duke Ellington, Billy Strayhorn (p) Remo Palmieri (g) Chubby Jackson (b) Sonny Greer (ds) New York, January 10, 1946

「プレイボーイ」誌に圧倒された観があるが、「エス クァイアー」は1930年代以降最もよく読まれた男性向き月刊 誌であった。 当時の編集長(現在は発行人)アーノルド・キングリッチは陽のあたらぬ芸術だったジャズをこの雑誌にとりあげた先覚者で、1944年に評論家レナード・フェザーをジャズ部門の専任記者に委嘱すると共に、人気投票をやるための専問委員会を設けた。(読者投票ではなかった) 年鑑を出すとともに、人気投票の首位を集めて毎年1月にニューヨークのメトロポリタン・オペラハウスやロスアンジェルス、さらにはニ ューオリンズで、「オールスター・コンサート」を開催した。各楽器の首位が「金賞」、第二位が「銀賞」を与えられ、 45年からは「新人賞」(銅賞)も設けられ、1947年末で終ったが一流雑誌がこのように力を入れたことが、ジャズの発展に与えた影響は実に大きかった。

30センチのSP盤ですが、転勤時の引っ越しで割れてしまいました。

(デューク・エリントンのアナウンスが翻訳されています)
「皆さん、デューク・エリントンです。 レナード・フェザーやすばらしいオール・スター・オーケストラとご一緒できて嬉しく思います。この1曲には私も加わって、ルイ・アーム ストロングが歌います。さあはじめよう。レナード。」 レナード・フェザー作のブルース。 ソロイストは、アームストロング(トランペット) → ホッ ジス→アームストロング(ヴォーカル)→エリントン (ピア ノ) →アームストロング(ヴォーカル)。

5.「巨星(Dizzy Gillespie)」
Here is Dizzy Gillespie Band play ”52nd Street Theme”.
Dizzy Gillespie(tp) Don Byas(ts) Milt Jackson(vib) Al Haig(p) Bill DeArango(el-g) Ray Brown(b) J.C. Heard(ds) New York, February 22, 1946

LP 初期に「52番街のジャズ」として発売されたことがあるが、(中略)…レイ・ブラウンの弓弾き部分が面白い。ミルト・ジャクソンとしては最も初期の録音に属する。ヴァイブの音があまりよくないのは、当時ボロボロのヴァイブを引いていたからであろう。

Photo by britannica.com

6.「ビ・バップ・エラ/モダン・ジャズの夜明け」
Here is Kenny Clarke And His 52nd Street Boys play “Royal Roost”.
Kenny Clarke And His 52nd Street Boys: McKinlay Dorham (Kenny Dorham), Fats Navarro (tp), Sonny Stitt (as), Ray Abrams (ts), Eddie DeVerteuil (bs), Bud Powell (p), John Collins (g), Al Hall (b), Kenny Clarke (ds), Gil Fuller (arr) New York, September 5, 1946

(中略)編曲はガレスピー楽団の諸作で定評のあるギル・フラーが担当した。だから変則的な編成で、ビッグバンド的なサウンドをもつ部分もある。 バド・パウエル、ソニー・スティットの好プレイと共に、2人のトランぺ ット奏者が印象に残る。どのソロが誰かは皆さんの判断にまつしかないが、「ロイヤル・ルースト」はワン・コーラス毎にドーハム・ナヴァ 口がソロを交換してい るようにきこえる。それが二回づつあり、この個所の トランペットは四コーラス (1コーラス 12小節の ブルース)である。

Photo by Wikipedia

Here is is Metronome All-Star Bands play “Victory Ball”.
Metronome All-Star Bands:Miles Davis, Dizzy Gillespie, Fats Navarro(tp) J.J.Johnson, Kai Winding (tb) Buddy DeFranco(cl) Charlie Parker(as) Charlie Ventura(ts) Ernie Caceres(bs) Lennie Tristano(p) Billy Bauer(g) Eddie Safranski(b) Shelly Manne(ds) RCA Studios, NYC, January 3, 1949

「ヴィクトリー・ボール」はテーマのあとアルト(パーカー)。そのあとを16小節づつ、マイルス?→デフランコ→ウィンディング?→ ヴェンチュラ → J.J.→ナヴァロ?と続く。ピアノだけが一コーラスのソロをとり、以下キャセレス→ガレスピー? と続いて、ラストのアンサンブルに入リ、そのブリッジをデフランコがとる。この曲は「ス・ワンダフル」のコードにレニ ー・トリスターノが書いたもの。ビリー・バウァー(ギター) はソロこそとらないが、すばらしいアンサンプル、ワークをきかせている。

大阪ジャズ同好会特集『1930年代の黒人ビッグ・バンド集』(2014年8月例会)

August 08,2018

岡田豊治氏(大阪ジャズ同好会の創立メンバーで天下茶屋に在住されていました)がお亡くなりになって3年になります。平成27年8月8日逝去されました。本日は故人が2014年8月に担当された特集をブログにまとめました。

尚、下記レジュメに記載された録音年月日については、ブログ作成者が所有しているレコード並びにディスコグラフィー等に照らし合わせ修正した箇所もございます。

Here is Don Redman And His Orchestra play ”Chant of the weed”.
Langston Curl,Leonard Davis, Henry “Red” Allen (tp) Claude Jones, Fred Robinson, Benny Morton (tb) Edward Inge, Rupert Cole (cl,as) Don Redman (as,vcl,ldr,arr) Robert Carroll (ts) Horace Henderson (p,arr) Talcott Reeves (bj,g) Bob Ysaguirre (b,tu) Manzie Johnson (ds)
New York, September 24, 1931

 Chant Of The Weed

Here is Don Redman And His Orchestra play “I got rhythm”.
Langston Curl, Sidney DeParis ,Henry “Red” Allen(tp) Claude Jones, Quentin Jackson, Benny Morton (tb) Edward Inge, Rupert Cole (cl,as) Don Redman (as,vcl,ldr,arr) Robert Carroll (ts) Horace Henderson (p,arr) Talcott Reeves (bj,g) Bob Ysaguirre (b,tu) Manzie Johnson (ds)
New York, June 30, 1932New York, June 28, 1932

_I Got Rhythm

Photo from hodges nourredine2bchotmailfr.blogspot
Charlie Parker, Johnny Hodges, and Benny Carter

Here is Benny Carter And His Orchestra play “Melancholy lullaby”.
Joe Thomas, Lincoln Mills, George Woodlen (tp) Jimmy Archey, Vic Dickenson (tb) Tyree Glenn (tb,vib) Benny Carter, Jimmy Powell, Carl Frye (as) Ernie Powell, Castor McCord (ts) Eddie Heywood (p) Ulysses Livingston (g) Hayes Alvis (b) Henry Morrison (d) New York, June 29, 1939

Melancoly Lullaby

Here is Benny Carter And His Orchestra play “Plymouth rock”.
Members of the recording are the same as above.

 

Here is Claude Hopkins And His Orchestra play “Truckin’ “.
Albert Snaer, Sylvester Lewis (tp) Ovie Alston (tp,vcl) Fred Norman, Henri Wells (tb) Edmond Hall (cl,as,bar) Hilton Jefferson (as,cl) Gene Johnson (as) Bobby Sands (ts) Claude Hopkins (p,dir) Walter Jones (g) Henry Turner (b) Pete Jacobs (d) New York, October, 1935

_Truckin’

Here is Claude Hopkins And His Orchestra play “Farewell “.
Members of the recording are the same as above.

Farewell blues

下記レコードは故人とトレードによって入手しました。(本特集後に交換しました)

Here is Luis Russell and his Orchestra play “Doctor Blues”.
Luis Russell(p,dir) Henry Allen, Otis Johnson(tp) J.C. Higginbotham(tb) Albert Nicholas(cl,as) Charlie Holmes(ss,as) Teddy Hill(ts) Will Johnson(bj,g) Pops Foster(b) Paul Barbarin(ds) New York, December 17, 1929

Here is Luis Russell And His Orchestra play “Saratoga Shout”.
Luis Russell (p,dir) Henry “Red” Allen, Otis Johnson (tp) J.C. Higginbotham (tb,vcl)Albert Nicolas (cl,as)Charlie Holmes (ss,as) Teddy Hill (cl,ts) Will Johnson (bjo,g) Pops Foster (b) Paul Barbarin (d) New York, January 24, 1930

下記Tax盤は故人が天下茶屋で「レコードショップオカダ」を経営されていた時に購入しました。

Here is Boots and His Buddies play “Wild cherry”.
Theodore Gilders, Percy Bush, Douglas Byers, Charlie Anderson (tp) Johnny Shields (tb) Alva Brooks, Wee Demry (as) Baker Millian, David Ellis (ts) A.J. Johnson (p) Jeff Vant (g) Walter McHenry (b) Boots Douglas (d) Celeste Allen (vcl)San Antonio, August 14, 1935
Don Redmanの「Cherry」と聞き比べると面白いです。

Wild cherry

Here is Boots and His Buddies play “Rose room”.
Members of the recording are the same as above.

Rose room

Here is Chick Webb’s Savoy Orchestra play ”Let’s get Together”.
Chick Webb’s Savoy Orchestra
Mario Bauza, Reunauld Jones, Taft Jordan (tp) Sandy Williams (tb) Pete Clark, Edgar Sampson (as , clarinet) Elmer Williams (ts) Joe Steele (p) John Trueheart (bj,g)John Kirby (b)Chick Webb (ds) Edgar Sampson (arr) NYC January 15, 1934

Let’s get together

Here is Chick Webb’s Savoy Orchestra play ”Stompin’ at the Savoy”.
Mario Bauza, Reunauld Jones, Taft Jordan (tp) Sandy Williams (tb) Pete Clark, Edgar Sampson (as , clarinet) Elmer Williams (ts) Joe Steele (p) John Trueheart (bj,g)John Kirby (b)Chick Webb (ds) Edgar Sampson (arr) NYC May 18, 1934

故人は京都のレコード店「十字屋」にお勤め時に面白い企画に携わっています。

故岡田豊治氏の写真がありました。
スイングジャーナル「幻の名盤読本」(1974年発売)から撮影(49ページ)

ジャズ喫茶オアシス(千里丘)で作成されていた会報「NOSTARGIA(1982年5月)」で自己紹介されていました。

おやまぁあんたまで!!「歌いたがり屋」列伝(大阪ジャズ同好会特集)

May 4.2018

おやまぁあんたまで!!「歌いたがり屋」列伝  解説 吉瀬 拓雄氏 (2015年4月12日)

今回は「歌いたがり屋のジャズ奏者たちが大集合です。ジャズのレコード録音は1917年、白人バンドの0DJBが始まりと されますが、その前年に女性歌手マリオン・ハリス、さらに遡る1911年にラグタイム キングと呼ばれたジーン・グリーンが残した歌声もあるそうです。とはいえ、ヴォーカ ルをジャズの主要なパートに押し上げたのは1920年代半ばにホット5を結成したル イ・アームストロングの功績でしょう。その影響は、ビング・クロスビーら多くの歌手にとどまらず、器楽奏者たちにも歌う楽しさ(快感)を教えてしまったのでした。

まずは、ルイに刺激された調子のいいトランペッターたちの歌声を…

(1) HENRY RED ALLEN

ルイより5つ年下のニューオリンズ出身で、ルイス・ラッセル、キング・オリヴ アーらのバンドを経て独立。J.C.Higginbotham(tb) とのコンビも有名です。

Here is Henry Red Allen sings “Dark Eyes”.(1946)

 

(2) BUNNY BERIGAN

Photo by YouTube

学生バンド時代にハル・ケンプに見出されて欧州ツアーに参加。ポール・ホワ イトマン、ベニー・グッドマン楽団にも所属し独立。36年のメトロノーム誌人 気投票で首位。40年にはトミー・ドーシー楽団に加わったが、33歳で早世。

Here is Bunny Berigan sings “Star dust” .

(3) ROY ELDRIDGE

1930年代半ばから活躍し、40年には白人ビッグバンド最初の黒人レギュラーと してジーン・クルーパ楽団に迎えられた。その後アーティー・ショウ楽団、JA TP、グッドマンの欧州ツアーにも参加。これは自己パンド時代の演奏で、メンパーにサヒブ・シーハブの名も。歌題は「恥ずかしくないかい?」でしょうか。

Here is Roy Eldridge sings “Ain’t that a Shame” (1946)

 

(4)CHARLIE SHAVERS

Photo above of  Charlie Shavers by Wikipedia

(4)CHARLIE SHAVERS
20歳前にジョン・カービー楽団に入り、大半の編曲を手がけたといわれる才人。 トミー・ドーシーやグッドマン楽団にも参加。多くの録音を残したレイ・ブライ アントトリオとのアルバム「Digs Dixie」から自作曲を。グリークスはペテンの俗語?

Here is Charlie Shavers sings “Daddy’s Got The Gleeks”.(1959)

 

5) DIZZY GILLESPIE
ビバップやラテンリズムの導入でモダンジャズの功績者と讃えられる一方、テ ディ・ヒル、キャブ・キャロウエイら所属楽団のボスや仲間と衝突を繰り返した という。MJQメンバーも彼の楽団にいた。クインテットの演奏で、ビル・グラハ ム(as)、ウイントン・ケリー(p)、ボニー・グリッグス(b), アル・ジョーンズ (d)。(他にナット・アダレイ、クラーク・テリーも歌っているようです)

Here is Dizzy Gillespie sings “Blue Skies”

トロンポーンはおなじみジャック・ティーガーデンを省略してこの人に…

(6) TYREE GLENN

Photo above of Tyree Glenn by AllMusic

べニー・カーター楽団などを経てキャブ・キャロウエイ、デューク・エリントン楽団へヴァイブ奏者との二足のわらじで活躍。歌の方もトロンボーンと同様、 楽しさがあふれます。クインテットのメンバーは、メリー・オズボーン(g)、トミー・フラナガン(p)、チャーリー・ポッター(b)、ジョー・ジョーンズ (d)。
歌うサックス奏者は少なく、他にソニー・スティット、トランバウアー、古谷充ぐらい

Here is Tyree Glenn sings “Yes Sir That’s My Baby” (1957)

(7) GERRY MULLIGAN
ピアノレスのカルテットなど、意欲的試みでウエストコーストから新風を吹か せたあのマリガンが歌ってます。フュージョンのデーヴ・グルーシンと組んだ 全曲自作のアルバム。ジェイ・レオンハート(b)、バディ・ウイリアムス (a)。

Here is Gerry Mulligan sings “I Never Was A Young Man”. (1980s)

ピアニストで歌っているのはホーギー・カーマイケル、マット・デニスといった作曲家系と弾き語りトリオの元祖ナット・キング・コールは割愛して、次の2人を

(8) OSCAR PETERSON

 

ナット・コールとの約束で歌を封印したと言われるピーターソンが、その前に 吹き込んだアルバム「Romance」の1曲。ナットの死後もリスペクト盤を1枚出しただけでした。バックはバーニー・ケッセル(g)と、レイ・ブラウン(b)。

Here is Oscar Peterson sings “I Can’t Give You Anything But Love”. (1953)

 

(9) JAY MCSHANN

Photo by National Jazz Museum in Harlem  Happy Birthday Jay McShann

カンザスシティ・ジャズ時代を知るベテランの復活第2弾。ジェリー・マリガ ン(bs)、ハービー・マン (fl)、ジョン・スコフィールド(g)、ジョー・モレ ロ(d)、ジャック・シックス(b)というメンバーを得て気持ちよく歌い、弾いて います。前に聴いてもらったマリガン 94年の同曲はこれの完成形でしょうか。

Here is Jay Mcshann sings “Georgia On My Mind”.(1978)

負けじとオルガンも、そしてドラムもベースもヴァイヴも

(10) JIMMY SMITH

Tell Me(1966)
ピアノ弾きが歌うなら俺だって、とジミー・スミスも歌います。バックのメ ンバーは不詳ですが、彼にはもう1枚ジョニー・ペイト楽団をバックにした歌入りアルバム「The Other Side Of Jimmy Smith」もあるそうです。当日選曲された「Tell Me」の音源の代替としてYouTube映像をご覧下さい。
Here is Jimmy Smith and Kenny Burrell play “Got my Mojo Workin’ “(1993)

 

( 11)BUDDY RICH
リッチ・ヴォイスといろアルバムのタイトル通り、なかなかのいい声でいい歌いっぷり。バックはハル・ムーニー楽団。もう1枚ある「Just Sing」では、 ベン・ウェブスターやハリー・エディソンらをバックに歌っています。
(ドラマーではグラディ・テイトも歌っているそうですが…)

Here is Buddy Rich sings “Me And My Shadow”(1959)

 

(12) RED MITCHEL
Love You Madly(1988)
1968年から長期にわたってスウェーデンに居を移し、これも現地にクラーク テリーを迎えてのデュオ録音。アルバムの約半数5曲がデューク・エリントンの作で、自作の詞をつけて彼に敬意を表しクラークも最後でハモります。
選曲された「Love You Madly」についても音源の代替として下記を添付します。

Here is Red Mitchell sings “When I’m Singing “.

Recorded:New York City, October 31, 1982

 

(13)LIONEL HAMPTON
RCAビクターは 1937年から4年間、ハンプトンにニューヨーク滞在中は自由に使ってくれと録音スタジオを開放していたそうです。その初期にあたるこの曲はバスター・ベイリー(cl)、ジョニー・ホッジス(as)、コジー・コール (d)らをバックに気持ちよく、そして後年に比べ極めて真摯に歌っています。

Here is Lionel Hampton sings “On The Sunny Side Of The Street”. (1937)

 

(14) MILT JACKSON
全曲歌入りのアルバムもある無類の歌いたがり屋さん。ビリー・ホリデーや シナトラの歌唱で知られる「アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー」まであるのですが、パリでエンリコ・イントラ・グループと歌ったこの曲を。契約の関係か、ヴァイブを叩かず、歌に徹しています。ピアノは彼かも…。

Here is Milt Jackson sings “Autumn Leaves” (1964 )

以上 14 曲、「楽器で歌う」ことに専念する多くのミュージシャンには失礼な企画ではありましたが、1曲でも気に入ってもらえる物があったなら幸いです。

The “trombonist’s trombonist” Urbie Green(1)

June 21.2017

Photo above of Urbie Green by Wikipedia

Last week I posted about female trombone player Melba Liston.

I will introduce about the same instrument player who was born in the same year as Melba.

Urbie Green was born August 8, 1926 in Mobile, Alabama and has been known as the “trombonist’s trombonist.”

He has approximately 30 albums under his own name.

Recently I purchased a few albums at second hand record shop in Osaka.

Photo above of Melba Liston by tumblr

Please see a poor photo I took.

So I would like to write about his achievements.

In childfood he was lessoned the piano by his mother.

When he was about 12, he picked up a trombone.

Photo above of Jack Jenney by Wikipedia

In those days he listened to such trombone greats as Tommy Dorsey, J. C. Higginbotham, Jack Jenney, Jack Teagarden and Trummy Young.

When he was sixteen,he was working professionally with Tommy Reynolds’ band in California.

Then he played  with Jan Savitt, Frankie Carle, Gene Krupa.

Photo above of Gene Krupa by Drummerszone.com

先週、女性トロンボーン奏者Melba Listonについて投稿しました。
今週はMelbaと同じ年に生まれ同じ楽器を演奏している名手を紹介します。
Urbie Greenは1926年8月8日、アラバマ州に生まれました。
彼のリーダーアルバムは約30枚ほど発売されています。
最近、私は大阪の中古レコード店で彼のアルバムを数枚購入しました。
私が撮影した下手な写真をご覧下さい。
Urbie Greenの楽歴について調べてみました。
幼年期のころ母親からピアノを習い12歳の時にトロンボーンを始めました。
その当時、以下に記載の名手達の演奏を聞きました。
「Tommy Dorsey, J. C. Higginbotham, Jack Jenney, Jack Teagarden and Trummy Young」
16歳の時、Tommy Reynolds bandの一員としてプロの仕事を開始しました。
その後、Jan Savitt, Frankie Carle, Gene Krupaら著名なバンドで活躍しました。

Here is Urbie Green plays “Round Midnight”.

Urbie Green(1)

June 21.2017

Photo above of Urbie Green by Wikipedia

Photo above of Melba Liston

Last week I posted about female trombone player Melba Liston.

I will introduce about the same instrument player who was born in the same year as Melba.

Urbie Green was born August 8, 1926 in Mobile, Alabama and has been known as the “trombonist’s trombonist.”

He has approximately 30 albums under his own name.

Recently I purchased a few albums at second hand record shop in Osaka.

Please see a poor photo I took.

So I would like to write about his achievements.

In childfood he was lessoned the piano by his mother.

When he was about 12, he picked up a trombone.

Photo above of Jack Jenney by Wikipedia

In those days he listened to such trombone greats as Tommy Dorsey, J. C. Higginbotham, Jack Jenney, Jack Teagarden and Trummy Young.

When he was sixteen,he was working professionally with Tommy Reynolds’ band in California.

Then he played  with Jan Savitt, Frankie Carle, Gene Krupa.

Photo above of Gene Krupa by Drummerszone.com

先週、女性トロンボーン奏者Melba Listonについて投稿しました。
Melbaと同じ年に生まれ、同じ楽器を演奏している名手を紹介します。
Urbie Greenは1926年8月8日、アラバマ州に生まれました。
彼のリーダーアルバムは約30枚ほど発売されています。
最近、私は大阪の中古レコード店で彼のアルバムを数枚購入しました。
私が撮った下手な写真をご覧下さい。
今週はUrbie Greenの業績について投稿します。
幼年期のころ母親からピアノを習い12歳の時にトロンボーンを始めました。
その当時、以下に記載の名手達の演奏を聞きました。
「Tommy Dorsey, J. C. Higginbotham, Jack Jenney, Jack Teagarden and Trummy Young」
16歳の時、Tommy Reynolds bandの一員としてプロの仕事を開始しました。
その後、Jan Savitt, Frankie Carle, Gene Krupaら著名なバンドで活躍しました。

Here is Urbie Green plays “Round Midnight”.

Johnny Pate(3)

June 08.2017

While performing with South, Johnny Pate furthered his musical training by studying at Chicago’s Midwestern Conservatory from 1951 to 1953.

In those days Johnny Pate also played with the Red Allen – J.C. Higginbotham Combo.

Photo above of Mills Blue Rhythm Band. From left to right: George Washington, J. C. Higginbotham, Henry “Red” Allen, Wardell Jones and Shelton Hemphill from Wikipedia

In addition during this same time period, he worked for the Club De Lisa as the arranger of its shows’ production numbers.

The feature male singer in the show was a young man by the name of Joe Williams.

Please refer to an interesting blog about Joe Williams and the Club De Lisa.Go here

Then Johnny Pate and Joe Williams became life-long friends.

In the end of the 50’s, he led his own group that served as the house band at Chicago’s Blue Note.

There he worked with Ella Fitzgerald, Sarah Vaughan and Duke Ellington.

Also he recorded “Johnny Pate at the Blue Note” (1956).

Photo above of Sarah Vaughan and Ella Fitzgerald by courtesy of Pinterst

Johnny Pateは1951年から1953年までシカゴの Midwestern Conservatoryで音楽理論を徹底的に学びました。
又、同時期にはHenry Red Allen とJ.C. Higginbotham が双頭リーダーであったバンドにも参加していました。
更にシカゴでも有名なナイトクラブ「The Club De Lisa」で音楽ステージの編曲者として雇われました。
当時「The Club De Lisa」で歌っていたボーカリストはJoe Williamsでした。
Joe Williamsと「The Club De Lisa」に関しては添付のブログを参照してください。ここをクリックして下さい。
1950年代の終わり頃には、彼をリーダーとするグループが「シカゴBlueNote」のハウスバンドとして抜擢されました。
「シカゴBlueNote」ではElla FitzgeraldやSarah Vaughan そして Duke Ellingtonバンドと共演しました。
又、 “Johnny Pate at the Blue Note” (1956)というレコードも製作販売されました。(実況ライブではありません)

Here is Johnny Pate at the Blue Note play “What a Difference a Day Made”, “It Might as Well be Spring”,”I Surrender Dear”.
Johnny Pate(b), Floyd Morris(p),Wilbur Wynne(g)
Chicago, probably July 3-10,1956

Here is Count Basie with Joe Williams and Jimmy Rushing play “Going To Chicago”.